夏休みやゴールデンウィーク、年末年始──長い休みが近づくと「どこかに出かけようかな」と旅行を計画する人は多いと思います。
ただ、慣れない土地では地図アプリや乗り換え検索、写真のアップロードなどでスマホをいつも以上に使ってしまい、「気づいたらギガを使い切って通信制限がかかっていた」というのは旅行あるあるです。
そこで候補になるのがポケットWi-Fi(持ち運べるモバイルWi-Fiルーター)。1台あればスマホのギガを減らさずにネットが使えますし、旅行の日数ぶんだけ借りる「レンタル」という選び方もできます。
この記事では、旅先でポケットWi-Fiを使う2つの方法(数日だけ借りる/回線を契約して持ち続ける)を、2026年8月時点の実際の料金で比べます。あわせて、2026年10月に予定されている各社の料金改定など、いま申し込みを考えている人が知っておきたい点もまとめました。
旅行にポケットWi-Fiを持つと、スマホ1台と何が変わる?
ポケットWi-Fiは、持ち運べる小型のWi-Fiルーターのことです。カバンに入れておくだけで、スマホやタブレット、パソコンをその場でWi-Fiにつなげます。
「スマホがあれば足りるのでは?」と思うかもしれません。実際その通りの人もいます。ここではどんな旅行なら効いてくるのかを、具体的に見ていきましょう。
地図・検索・動画をギガの残量を気にせず使える
スマホの4G/5G回線は、ほとんどのプランで1か月に使えるデータ量が決まっています。上限を超えると速度が落ち、地図アプリの読み込みが遅くなって道案内どころではなくなります。
いま個人向けのポケットWi-Fiで主流になっているのは「WiMAX +5G」で、こちらは月間のデータ容量に上限がありません(標準の「スタンダードモード」の場合)。
ただし「どれだけ使っても絶対に遅くならない」わけではない点は、正確に押さえておきたいところです。UQ WiMAXの公式サイトでは、一定期間内に大量のデータ通信があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限することがあると案内されています。また、山間部などをカバーする「プラスエリアモード」(オプション・月1,100円※)は月間30GBまでで、超えると月末まで送受信最大128kbpsに制限されます(2026年8月時点・UQ WiMAX公式)。
※auスマートバリュー、またはUQ mobile「自宅セット割 インターネットコース」の適用期間中は、プラスエリアモードのオプション利用料が無料になります。
とはいえ、旅行中の地図・検索・SNS・動画くらいの使い方であれば、ギガの残量を数えながら旅する必要がなくなるのは十分に大きなメリットです。
家族のスマホやタブレット、ゲーム機もまとめてつなげる
ポケットWi-Fiの強みは、1台で複数の機器を同時につなげることです。移動中にタブレットで動画を見る、ノートパソコンで仕事のメールを確認する、携帯ゲーム機を通信対戦につなぐ──といった使い方が、スマホのギガを消費せずにできます。
小さいお子さんがいるご家庭だと、スマホの小さい画面を長時間のぞき込ませずに済むのも助かりますよね!
同時に接続できる台数は機種によって異なり、モバイルルーターでは十数台程度に対応するものが一般的です。台数が多いほど1台あたりの速度は分け合う形になるので、家族全員で動画を再生し続けるような使い方は少し余裕を見ておきましょう。
フリーWi-Fiだけで足りる人・足りない人
駅・空港・カフェ・宿泊施設など、誰でも使えるフリーWi-Fi(公衆無線LAN)は年々増えています。旅先でちょっと調べものをする程度なら、これで十分足りることも多いでしょう。
足りなくなりやすいのは、次のようなケースです。
- レンタカーや電車での移動中にナビ・音楽・動画を使う(フリーWi-Fiは基本的に施設の中だけ)
- 登山・キャンプ・離島など、施設のWi-Fiが期待できない場所へ行く
- ノートパソコンで仕事のファイルをやり取りする(ワーケーション・出張を兼ねた旅行)
また、フリーWi-Fiを使うときは最低限の注意も必要です。総務省は利用者向けに、①接続先のアクセスポイントをよく確認する ②正しいURLでHTTPS通信になっているか確認する ③自宅に置いている機器の設定も確認するという3つのポイントを挙げています(総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用について」・2025年2月改定)。
自分専用のポケットWi-Fiであれば、こうした「どこの誰が用意したWi-Fiか分からない」不安からは解放されます。移動が多い旅行・仕事を持ち込む旅行ほど、持っていく価値が上がると考えてよいでしょう。
旅先で使う方法は2つ|数日だけ借りるか、契約して持ち続けるか
旅行でポケットWi-Fiを使う方法は、大きく分けて①必要な日数だけレンタルするか、②端末を用意して回線を契約するかの2つです。順番に特徴を見ていきます。
① レンタル|1日単位で借りられて、返却はポスト投函
【レンタルが向いている人】
- 旅行は年に1〜2回。使うのは数日だけ
- 端末代や毎月の支払いを残したくない
- まずはポケットWi-Fiの使い勝手を試してみたい
レンタルは1日単位で借りられるのが最大の利点です。申し込みはウェブや電話ででき、返却は同封の返信用封筒やレターパックをポストに投函するだけという会社がほとんどです。
国内向けのレンタル会社を2社紹介します。料金・在庫・キャンペーンは変わりやすいので、申し込み前に必ず各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。
ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバイルなど幅広いキャリアの端末から選べるのが特徴のレンタルサービスです。初期費用・事務手数料は0円で、解約金もかかりません。
料金は「1日ごとに課金されるデイリープラン」と「31日間まで定額のプラン」の2本立て。デイリープランは機種によって単価が違い、安いものは1日495円(税込)から用意されています。デイリープランには31日目までの上限額が設定されているため、長めに借りても青天井にはなりません(2026年8月時点・NETAGE公式)。
紛失・破損に備える「安心補償サービス」(任意オプション)は1日44円(税込)または月額440円(税込)で付けられます。機種によってデータ量の上限や速度が異なるので、選ぶときはそこを見比べましょう。
郵送レンタルに加えて、店舗で当日その場で受け取れるのが持ち味です。新宿・渋谷・秋葉原・新橋・川崎・大阪梅田・なんば日本橋・福岡の全国8か所で即日の貸し出しに対応しています(新宿本店は2026年7月23日に四谷へ移転済み)。
郵送の場合も16時までの注文で当日発送・最短翌日お届け。返却はレターパックをポストに投函するだけです。なお、回線提供元の料金改定にともないソフトバンク回線30日プランは2026年2月2日申込分から9,130円(税込)に改定されています(同社公式のお知らせ)。
「明日から旅行なのに手配を忘れていた!」というときは、店舗で当日受け取れるかどうかが効いてきますね。
なお、ここで紹介しているのは国内向けのレンタルです。WiMAXをはじめ国内向けのサービスはそのまま海外では使えませんので、海外旅行では海外用のレンタルを別途手配することになります。海外向けについては下記の記事で詳しく説明しています。
>【徹底解説】海外に行くときはポケットWiFiをレンタルすべき?
② 回線契約|旅行後も使い続けるならこちら
【契約が向いている人】
- 旅行や出張が多く、年に何度も持ち出す
- 1回の滞在が1週間以上と長い
- ふだんから外でパソコンやタブレットを使う
旅行以外でも日常的に使うなら、回線を契約したほうが1日あたりの負担は下がります。現在の個人向けポケットWi-Fiは「WiMAX +5G」が主流で、回線の大元はUQコミュニケーションズ、そこに各プロバイダーが独自の割引を付けて提供する形です。
注意したいのは、端末代の分割払いと割引がセットになっているケースが多いこと。たとえばBroad WiMAXは端末代35,640円(税込)を990円×36回の分割にし、同額を36か月割り引くことで「実質0円」としています。途中で解約すると端末の残債は一括で支払うことになるので、「短期で試すつもり」の人はレンタルのほうが結果的に安く済むこともあります。
何日までならレンタルが得? 料金を日数で逆算する
判断の目安を作るために、実際の料金を日数に置き換えてみます。下のグラフは、NETAGEのデイリープラン(最安の1日495円・税込)で借りた場合のレンタル料金です。

ポイントは、デイリープランには31日目までの上限額(この機種では6,930円・税込)があること。1日あたり495円で計算すると14日でちょうど上限に達するため、2週間を超えて借りても31日目までは6,930円で頭打ちになります(別途、送料や任意の補償オプションがかかります)。
これを踏まえると、判断の軸は次のように整理できます。
| 比較の観点 | レンタル | 回線契約 |
|---|---|---|
| 費用のかかり方 | 借りた日数ぶんだけ(1日単位) | 毎月の月額が継続してかかる |
| 初期の出費 | 初期費用0円の会社もある | 事務手数料3,300円(税込)+端末代(分割・実質0円の割引あり) |
| やめるとき | 返却して終わり | 解約自体は無料でも、端末残債が残る場合がある |
| 使い始めるまで | 最短当日発送・店舗受け取り可の会社もある | 申し込み・審査を経て発送(最短即日発送) |
| 向いている使い方 | 年数回・数日〜2週間程度の旅行 | 旅行+日常でも使う/長期滞在が多い |
ざっくり言えば、「旅行の数日だけ」ならレンタル、「旅行以外でも月に何度か持ち出す」なら契約。年に1回の旅行のために36回払いの端末を抱えるのは、費用面でも気持ちの面でも重くなりがちです。
契約するなら知っておきたい主要WiMAXの現行料金(2026年8月時点)
「契約のほうが合いそう」という人向けに、代表的な3社の割引を適用しない状態の月額を並べます。割引の条件は各社で異なるため、まず素の金額をそろえて見るのが分かりやすいからです。

| 提供元 | 月額(割引前・税込) | 主な割引・特徴 |
|---|---|---|
| UQ WiMAX (ギガ放題プラスS) | 5,280円 | 「WiMAX +5G割」で13か月間 682円引き=4,598円。別途登録料3,300円。au・UQ mobileのセット割あり |
| BIGLOBE WiMAX +5G (ギガ放題プラスS/ギガ放題プラス) | 4,928円 | 最低利用期間・契約解除料なし。特典適用で24か月間 月3,278円(税込) |
| Broad WiMAX (ギガ放題スタートプラン) | 4,785円 (初月880円) | 最低利用期間なし・契約解除手数料無料。Web+クレカ+指定オプション初回加入で初期費用20,743円が無料 |
UQ WiMAXは回線の大元で、店舗でも相談できる安心感があります。BIGLOBEとBroadは最低利用期間・契約解除料がないのが共通した強みで、「合わなければやめられる」点は初めての人にとって心強いところです(ただし前述のとおり、端末代の残債は別に考える必要があります)。
2026年10月に料金改定が予定されている点は要チェック
いま検討している人がいちばん見落としやすいのが、2026年10月1日に複数社で月額料金の改定(値上げ)が予定されていることです。各社の公式告知を確認すると、次のとおりです。
- BIGLOBE WiMAX:2026年10月1日から、8月1日時点の月額料金に一律330円(税込)を加算。すでに「24か月間 月3,278円(税込)」の値引き特典が適用されている人は、特典期間が終わるまでは現在の金額のまま。なお改定にともない、契約解除料の設定があるプランは2026年9月1日〜9月30日の解約に限り解除料が無料とされています。
- Broad WiMAX:2026年10月1日から、ギガ放題スタートプランの初月880円→1,510円、1か月目以降4,785円→5,415円(いずれも税込)に改定。
物価や通信設備の維持コストの上昇が理由として挙げられており、「いまの月額がこの先も続く前提で長期の損得を計算しない」のが大切です。契約前には、各社の料金ページとお知らせ欄を必ず開いて、改定後の金額まで確認しておきましょう。
■ GMOとくとくBB WiMAX

高額なキャッシュバックで知られるプロバイダーです。ただしキャッシュバックは金額も受け取り条件も頻繁に変わり、予告なく終了することがあります。受け取りには申請の手続きと期限があるのが一般的なので、「いくらもらえるか」だけでなく「いつ・どうやって受け取るか」まで確認してから申し込んでください。最新のキャンペーン内容は必ず公式サイトでご確認ください。
出発前にここだけは確認しておきたい4つのこと
受け取りが出発に間に合うか
レンタルは当日発送の締め切り時間が会社ごとに決まっています(例:Wi-Fiチャンネルは16時までの注文で当日発送・最短翌日お届け)。連休前は申し込みが集中して人気機種が品切れになることもあるため、日程が決まったら早めに手配するのが確実です。間に合わないときは、店舗受け取りに対応している会社を探す方法もあります。
返却日と返却方法
返却が遅れると延長ぶんの料金がかかります。多くの会社はポスト投函で返せますが、「いつまでに投函すればよいか」は契約時に確認しておきましょう。旅行から帰ってバタバタしているうちに、というのがいちばんよくある失敗です。
行き先が通信エリアに入っているか
山間部・離島・地下などは、都市部と同じようにはつながりません。各社の公式サイトにはエリア判定のページがあるので、宿泊先や主な観光地の住所で調べておくと安心です。WiMAXの場合、広いエリアをカバーする「プラスエリアモード」は前述のとおり月30GBの上限付きオプションである点も覚えておきましょう。
バッテリーの持ちとモバイルバッテリー
モバイルルーターはそれ自体が電池で動く機器です。1日中つけっぱなしにすると、夕方に電池切れということも起こります。移動が長い日はモバイルバッテリーを1つ持っておくと安心です。使わない時間帯は電源を切っておくのも有効です。
旅行のポケットWi-Fiでよくある質問
Q. 出発当日でも手配できますか?
店舗受け取りに対応している会社なら可能な場合があります。Wi-Fiチャンネルは全国8か所の店舗で当日の貸し出しに対応しています。郵送のみの会社は当日発送に間に合っても手元に届くのは翌日以降になるため、当日出発には間に合いません。
Q. 契約したWiMAXを海外旅行にそのまま持っていけますか?
WiMAXは国内向けのサービスなので、そのままでは海外で使えません。海外では、海外用のWi-Fiレンタルや現地SIM、キャリアの国際ローミングなど別の手段を用意することになります。詳しくは海外向けレンタルの記事をご覧ください。
Q. 借りた端末を旅先でなくしたり壊したりしたら?
原則として弁償になりますが、多くの会社が任意の補償オプションを用意しています。たとえばNETAGEの「安心補償サービス」はプランにより1日44円(税込)または月額440円(税込)です。旅行は移動が多く紛失のリスクも上がるので、数百円で不安が減るなら付けておく価値はあります。補償の範囲(水没や全損が対象かなど)は申し込み時に確認してください。
Q. 予定が変わって早く帰ってきました。使わなかった日の料金は戻りますか?
申し込んだレンタル期間ぶんの料金がかかるのが一般的で、早く返しても差額が戻らないことがあります。逆に延びた場合は自動延長として日数ぶんが加算される会社が多く、NETAGEも延長の連絡は不要としています。「短くなったとき」と「延びたとき」の両方の扱いを、申し込み前に規約で確認しておくと安心です。
まとめ|日数で選べば、旅行のWi-Fiは迷わない

旅行のポケットWi-Fiは、「何日使うか」と「旅行のあとも使うか」の2点で決めるとすっきりします。
- 数日〜2週間の旅行だけで使う → レンタル(1日単位・返却はポスト投函)
- 旅行が多い/日常でも外で使う → WiMAX +5Gの回線契約
契約を選ぶ場合は、月額そのものだけでなく端末代の分割と割引のしくみ、そして2026年10月に予定されている料金改定まで見てから決めてください。数字は動きますので、最終的な金額は必ず各社の公式サイトでご確認を。
連休前は在庫も配送も混み合います。旅程が固まったら、宿や交通と同じタイミングでWi-Fiの手配も済ませてしまいましょう。そして当日、持っていくのを忘れないように!
◆スマホとポケットWi-Fiを併用するメリットについては、こちらの記事も参考にしてみてください。



