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Googleがスマートスピーカー「Google Home/Google Home Mini」の日本での発売を発表しました。
上記の画像は、私が購入したGoogle Homeの実物です。購入したばかりなので、使ってみた感想やレビューは別の機会にご紹介できればと思います。

今回は、すでにスマートスピーカーが販売・利用されているアメリカでの実態を見ながら、スマートスピーカーの現状を見てみることにします。


スマートスピーカーGoogle Homeが日本上陸

2017年10月5日、Googleはスマートスピーカー「Google Home」の発売を発表し、10月6日より日本で発売開始されました。
さらに、アメリカで発表されたばかりのコンパクトで低価格な「Google Home Mini」も10月23日から発売されることがわかっています。

Google Home Miniの方が日本人に向いている?

そもそもGoogle Homeは本体が大きい上に、価格も1万4000円と気軽に購入できる金額ではありません。
また特徴的な外見をしているため、部屋のインテリアによっては合わなかったり、個人の好き嫌いがわかれる可能性もあります。


一方、Google Home Miniは6000円と低価格なので、Google Homeよりも気軽に購入することができます。
さらに直径9.8㎝とかなり小さなサイズで、存在を主張するデザインではありません。

手の届きやすい価格で、コンパクト、さらにどのような内装にも溶け込みやすい外観であるという点で、Google Home Miniを購入される方の方が多いのではないでしょうか。

Google Home
⇒1万4000円(税別)
⇒10月6日から販売中

Google Home Mini
⇒6000円(税別)
⇒Google Homeに比べて圧倒的に安い
⇒直径9.8㎝とサイズもコンパクト
⇒10月23日から販売開始

Amazonもスマートスピーカーを日本で発売予定

アマゾンジャパンは、同社のスマートスピーカーシリーズ「Amazon Echo」および音声アシスタント機能の「Amazon Alexa」を2017年中に日本で展開する予定であることをと10月2日に発表しました。

Amazon Alexaが日本語対応するかは現在未確認です。

そもそもスマートスピーカーとは

スマートスピーカーと言われても、何をするものなのかピンと来ないという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
一般的な定義としては、人工知能(AI)を搭載した据え置き型のスピーカーのことを、「スマートスピーカー」あるいは「AIスピーカー」と呼んでいます。

Google Homeであれば、「Googleアシスタント」、Amazon Echoであれば「Alexa」が、それぞれの人工知能にあたります。

よって、スマートスピーカーそのものに人工知能のチップが搭載されていて自律的に学習していく、といったSFチックな代物ではなく、スピーカーにSiriのような音声アシスタント機能がついているものと認識した方がよさそうです。

Google Homeの狙い

Google Homeの頭脳となっているのはGoogleアシスタントです。
GoogleアシスタントはAndroidスマホや、専用アプリから利用できます。

そうすると、スマホでGoogleアシスタントを利用している人はわざわざGoogle Homeを購入するメリットはないのでしょうか。


実は、スマホ版とGoogle Home版では、「Googleアシスタントをどのように利用するか」という点で、方向性が異なります。

Google Homeは家のリビングやダイニング、ベッドルームに据え置かれて利用されることを念頭に置かれています。
例えば、忙しい朝に身支度を整えながら交通情報や天気について聞いてみたり、料理中にいちいち手を洗わずとも話しかけるだけで料理の工程を聞ける、といった使い方が考えられます。

したがって、パソコンやスマホをわざわざ起動させたり、手に持って話しかけるという余計な手間を省いて、なるべく気軽に話しかけて利用する方法を目指しています。


また、すべての機能を音声のみで完結させるという点も重要です。

スマホ版のGoogleアシスタントに何かを聞いてみると、「このような結果が見つかりました」といって、検索結果の一覧を画面に表示させます。
あるいは、「一番近くのコンビニは?」といった質問をすると、近所のコンビニをマップ上に表示してくれますよね。

一方、Google Homeにはスマホやパソコンのような画面はついていません。
したがって、前述のような質問をした場合には検索結果を表示するのではなく、検索結果を一つずつ読み上げてくれる機能が必要となります。


もちろん、現段階ですべてのケースに音声のみで完全に対応できるわけではありませんが、スマートスピーカーは音声のみの操作で完結させられることを目指しています。

スマートスピーカーはどのように利用すればいいのか

一見便利そうなスマートスピーカーですが、実際にはどのような用途が考えられるでしょうか。

統計サービスStatistaの2016年の調査『Amazon Echoが実際どのように利用されているか(What the Amazon Echo Is Actually Used For, Richter, 2016)』によると、Amazon Echoのよく利用されている機能として

  • タイマーをセットする
  • 音楽を再生する
  • ニュースを読み上げる
  • スマートライトを操作する
  • 買い物リストに品物を追加する
  • 有料音楽サービスにアクセスする

以上の6つの機能があげられました。


スマートスピーカー記事中

図1 『Amazon Echoが実際どのように利用されているか』調査結果のグラフ。
グラフはそれぞれ左から右へ「タイマーをセットする」「音楽を再生する」「ニューズを読み上げる」「スマートライトの操作」「買い物リストに品物を追加する」「有料音楽サービスにアクセスする」と並んでいる。

青の棒グラフはその機能を「最低1回は試したことがある」ユーザーの割合を示し、緑色のグラフはその機能を「繰り返し利用している」ユーザーの割合を示している。


この中でも、「最低1回は試したことのある」機能は、

  • タイマーをセットする
  • 音楽を再生する
  • ニュースを読み上げる

以上の3つのが、上から順に1位から3位となっていました。


また、「繰り返し利用している」機能として、

  • 音楽の再生する
  • スマートライトを操作する

以上の2つのが、他の機能よりも高い頻度で繰り返し利用されていました。


この調査から、スマートスピーカーを手に入れたほとんどの人たちが、実際には音楽の再生やタイマーのセットなど、とくに目立った利用方法はしていないということがわかります。

唯一例外なのは、スマートライトの操作です。
声だけで点灯/消灯ができるという点で、スマートスピーカーの存在意義を感じます。

スマートスピーカー普及の起点はストリーミング・ミュージック

海外ではすでにスマートスピーカーが販売、利用されていますが、ヒットの背景にはアメリカで一般的に利用されている「ストリーミング・ミュージック」の存在が密接に関係しています。

アメリカではApple MusicやSpotifyのようなストリーミング・ミュージックの利用が非常に普及しています。


ストリーミング・ミュージックが普及する背景には、スマホやパソコンさえあればいつでもどこでもお気に入りの音楽を購入し、その場ですぐに聞くことができる、手軽さ・便利さが大きな役割を果たしていると考えられます。
とくにスマホの普及と相まって、手軽さ・便利さはさらに追求されていきます。

そうすると今度は、リビングや寝室でくつろいでいるときなどスマホを携帯していないときや、料理・掃除中など、なかなか手が離せないときでも、音楽を流したり、レシピを検索したりしたいと思いますよね。
このような時に両手を使うことなく、声だけでインターネットサービスを利用できると大変便利だと思いませんか?


そこで登場するのがスマートスピーカーです。

そもそもスマートスピーカーは例外なくWiFiスピーカー機能がついています。
WiFi機能でスマホと接続することで、スマホのスピーカーよりも大音量・高音質で音楽を聴くことができる優れものです。


もちろん本格的なスピーカーにはどちらの点でも劣ってしまいますが、ストリーミング・ミュージックをBGM代わりに流すのであれば、WiFiスピーカー程度でも十分機能します。
そしてスマートスピーカーを利用をするときに音声操作を試してみて、さらに他の機能も試すうちに意外な便利さに気づいた人から認知が広がり、現在アメリカで広く普及しているというのが現状です。

スマートスピーカーは日本で普及するか?

一方日本では、ストリーミング・ミュージックはまだ海外ほど定着していません。
したがって、上記のような手軽さ・便利さや、スマートスピーカー程度でもBGMに使えればいいといった、起点になる部分がありません。

このように、スマートスピーカーが日本に上陸するといって、ただそれだけで勝手に普及していくというものではありません。
しかし一方で、スマートスピーカーからストリーム・ミュージックの長所に気づき、そこから逆輸入的に広がっていく可能性も考えられます。


Google Homeの存在が、今後日本の音楽シーンを変えていくのか、そもそも日本での普及が見込めるのか、今後の動向に注目したいと思います。