株やFX、暗号資産(仮想通貨)などの取引を行う人にとって、最新の情報が即座に手に入るインターネット環境は欠かせません。
取引をするうえでネット環境を整えることはとても重要なのですが、意外と対策できていない・重視していない人が多いのが実情です。
絶対にチャンスを逃せない取引の真っ最中に、ネットが急に遅くなったり、つながらなくなったりしたら——。
「一瞬の遅延で大きく損をした!」
…なんてことも起こり得ます。
そこで今回は、投資目的でインターネットを使う場合のプロバイダ・ネット回線の選び方、やってはいけない選び方、注目すべきポイントを解説します。
投資を始める前に!プロバイダ・回線選びで注目すべき点
ネットで取引を行うなら、回線の「速度」と「安定性」がとても重要になります。できれば取引を始める前に、快適なネット環境を整えておきたいところです。
回線は、高速で安定した光回線(固定回線)であれば、基本的にどの会社でも大きな問題はありません。
ただし、同じ光回線でもプロバイダによって性能や対応が変わってくるため、取引に適したものをしっかり選ぶ必要があります。プロバイダを選ぶときは、次のポイントに注目しましょう。
通信速度

光回線であれば十分な速度が出るはずですが、実際にその速度で使えるかどうかはプロバイダなどの環境が大きく関わります。
混雑する時間帯はプロバイダの利用者が集中して速度が落ちがちですし、一般に通信速度が速いほど応答速度もよくなる傾向があります。通信速度に定評のあるプロバイダを選んでおくと安心でしょう。後述のスピードテストで測ってみて、極端に遅い場合はプロバイダの見直しも検討しましょう。
応答速度(PING値)
「応答速度」とは、自分の端末から送った信号が相手に届き、また戻ってくるまでの時間のことで、単位はms(ミリ秒)で表します。
実は、この応答速度が通信速度以上に重要になることがあります。なぜなら、複数の注文が同時にあった場合、応答速度が速いほうの注文が先に通りやすいからです。つまり、応答速度が遅いほど絶好のチャンスを逃しやすくなるというわけです。
応答速度は『SPEEDTEST』(https://www.speedtest.net/)などのサイトで調べられます。

測定すると、下り・上り速度とともに「PING値」が表示されます。PING値は速度と逆で、数値が小さいほど反応が速く、快適なネット環境だといえます。目安として、PING値が30〜50ms以下なら取引でも問題ありません。逆に50〜100ms以上だと、取引に支障が出ることがあります。
回線の応答性そのものを速くする方法はありませんが、なるべく混雑しにくい回線を選ぶことで改善が期待できます。そのカギになるのが『IPoE接続方式』です。
以前は『PPPoE接続方式』が主流でしたが、網終端装置を経由するため、時間帯によっては混雑しやすいという課題がありました。一方の『IPoE接続方式』は、プロバイダを介して直接インターネットに接続できる仕組みで、より速く安定した通信が期待できます。このIPoE接続に対応したサービスが「v6プラス」などと呼ばれています。
つまり、『v6プラス(IPoE/IPv6)対応』のプロバイダを選ぶことで混雑を回避しやすく、応答速度の改善につながります。プロバイダを比較する際は、IPoE・v6プラス対応の有無に注目するとよいでしょう(対応の可否や名称は各社で異なるため、公式でご確認ください)。
Wi-Fi接続の場合、応答速度はどうなる?
家の中どこでも使いたいからとWi-Fiを活用している人も多いですが、Wi-Fi接続では応答速度が下がりやすくなります。
特にWi-Fiは、電子レンジなど電波を出す機器の干渉を受けやすく、そうした機器の近くでは一時的に応答速度が大きく低下することがあります。一般的な利用なら問題になりませんが、株やFXでは一瞬の遅れが命取りになりかねません。集合住宅では近隣の家電の影響を受けることもあります。取引時は有線接続(LANケーブル)を使うのが無難でしょう。
安定性

いくら速くても、頻繁に通信障害や不具合を起こすプロバイダでは意味がありません。ここぞという瞬間に安定してつながることも重要です。プロバイダの障害・メンテナンスの頻度は、各社の公式ページやSNSで公開されているので、さかのぼって確認しておくとよいでしょう。
プロバイダ(回線)はメインとサブの2つ以上あると安心

1つの回線だけだと、その回線で障害やメンテナンスが起きている間はネットが使えなくなってしまいます。利用者が集中する時間帯に速度が急落することもあります。取引に支障を出さないためにも、メインとサブで2つ以上の回線を確保しておくと安心です。
一般に大手プロバイダは安定性がある一方、混雑時間帯は速度が出にくく料金も高めの傾向があります。中小のプロバイダは混雑しにくく料金も抑えめな反面、安定性はまちまちです。
| 安定性 | 混雑具合 | 料金 | |
|---|---|---|---|
| 大手プロバイダ | 〇 | 昼と夜は混雑する | 高い |
| 中小プロバイダ | △ | 空いてる | 安い |
そのため、複数契約するなら「大手を1社+中小を1社+自分の気に入った1社」のように性格の違う回線を組み合わせると、より安心して取引できます。
たとえば固定回線(光回線)をメインにしつつ、外出先や緊急用にモバイル回線(ポケットWi-Fi)を1つ持っておく、といった組み合わせが実用的です。自分に合った構成で選んで構いません。とにかく、大事な場面で「回線のせいで損をした」ということがないよう、万全に備えておきましょう。
プロバイダを選ぶ際の注意点
プロバイダ選びで気をつけたいのは、中には利用者に不利な条件を分かりにくく提示する業者もいるという点です。
- 高額なキャッシュバックでお得感を出しつつ、適用に厳しい条件(有料オプション必須・受け取り時期が大幅に先など)を目立たない形で記載している
- 受け取り手続きの案内が分かりにくく、結局キャッシュバックを受け取れないよう仕向けている
といったケースが見られます。悪質なプロバイダについては「絶対に選んではいけないプロバイダ3選!俺みたいにはなるな。」の記事にまとめています。目先のキャッシュバック額だけに飛びつかず、条件や実績を確認して堅実なプロバイダを選びましょう。
外出先ではモバイルWi-Fiルーターを利用する
自宅は固定回線で取引できても、外出先で相場を確認したり取引したりする機会もありますよね。その場合は、契約しているモバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)を使いましょう。
間違っても、公衆(フリー)Wi-Fiで取引をしてはいけません!
不特定多数が使う公衆Wi-Fiは、通信内容を盗み見られてIDやパスワードを抜き取られる危険があり、最悪の場合アカウントを乗っ取られる恐れもあります。
カフェやコンビニの無料Wi-Fiスポットで、ログインが必要な取引・決済を行うのは避けましょう。公衆無線LANの安全な使い方については、総務省が注意喚起を行っています。
■総務省:公衆無線LAN利用のセキュリティ対策|国民のためのサイバーセキュリティサイト
ただ、モバイルWi-Fiルーターも、電波が届きにくい場所があったり、通信量によっては速度制限がかかることがあります。契約するなら、こちらも失敗したくないですよね。取引に使えるモバイルWi-Fiルーターのポイントをまとめました。
モバイルWi-Fiルーターを選ぶポイント
まず端末は、できるだけ新しく、性能に余裕のあるものを選びましょう。中古や低スペックの端末は、高い負荷に耐えられず動作が不安定になることがあり、取引時に使えなくなっては本末転倒です。
回線は、現在は5Gに対応したWiMAX +5G(ギガ放題プラスS)が主流です。以前のWiMAXにあった「3日間で◯GB」の速度制限は、5G対応プラン(ギガ放題プラスS)では2022年2月に撤廃され、通常利用ならデータ容量を気にせず使えるようになっています。対応エリアも広く、対応エリアはUQ WiMAXの公式サイトなどで確認できます。
ただし注意点もあります。WiMAX +5Gの「プラスエリアモード」(対応エリアを広げるモード)には月間の容量上限が設けられているほか、モバイル回線は環境によって速度や応答速度が固定回線ほど安定しないことがあります。モバイルWi-Fiはメインの取引用というより、外出用・緊急用のサブ回線として持っておくのが現実的でしょう。最新のプラン内容・容量・端末は各社公式でご確認ください。
まとめ
今回は、個人投資家が選ぶべきネット環境について解説しました。
- 自宅では光回線を使い、応答速度(PING値)に注目する。
- 応答速度に有利なIPoE/v6プラス対応のプロバイダを選ぶ(ルーターも対応品に)。
- 取引時はWi-Fiより有線接続が安定する。
- 回線はメインとサブの2つ以上でリスクを分散する。
- 外出先用には、対応エリアが広くデータ容量無制限のWiMAX +5Gなどを、あくまでサブとして持っておく。
これから投資を始める人はもちろん、今の環境に不便を感じている人も、この機会にインターネット環境を見直してみてはいかがでしょうか。
ドコモ光やWiMAX+5Gの新規契約は、下記のGMOとくとくBBの公式ページより申込みができます。
【GMOとくとくBB ドコモ光】:http://gmobb.jp/service/docomohikari/
【GMOとくとくBB WiMAX+5G】:http://gmobb.jp/wimax/
