フレッツ光の速度は「どこで測るか」で意味が変わる

フレッツ光を使っていて、「なんだか遅いな」と感じることはありませんか?

そんなときにまずやるべきなのが速度の測定です。ただし、測定サイトを1つ選んで数字を眺めるだけでは、原因まではわかりません。フレッツ光は「宅内 → フレッツ網(NGN) → プロバイダ → インターネット」という順に通っていくため、どの区間で詰まっているのかを分けて測ることで、はじめて打つべき手が決まります。

この記事では、スピードテストで分かること・数値の読み方を整理したうえで、フレッツ利用者だけが使える公式の測定サイトと、汎用の測定サイトの使い分けを解説します。


スピードテストで分かる3つの数値

速度測定サイト(スピードテスト)で見られるのは、基本的に次の3つです。

  • ダウンロードにかかる下り速度(単位:Mbps/Gbps)
  • アップロードにかかる上り速度
  • ping値(データを送ってから返答が来るまでの応答速度・単位:ms)

サイトによっては表示されない値もありますが、基本はこの3つで「速いか遅いか」を判断します。現在はブラウザだけで測定できるサイトがほとんどで、特別なプラグインは不要です(かつて必要だったFlashは2020年末でサポートが終了しています)。スマートフォンなら専用アプリを使う方法もあります。

測るたびに結果が変わるのは正常です

測定でまず戸惑うのが、同じサイトで連続して測っても、複数のサイトで測っても、結果に差が出るという点です。

インターネットの速度は、接続している機器や宅内の環境、経路の混雑、プロバイダ側の状況などで常に変動します。測定サイトごとにサーバーの場所も測定方法も違うため、数値そのものを他サイトと比べても意味がありません

実用上大事なのは、同じサイト・同じ端末・同じ場所で、時間帯を変えて何度か測ることです。そうすると「夜だけ落ちる」「常に遅い」「特定の部屋だけ遅い」といったパターンが見えてきます。原因を突き止めるヒントは、1回の数値ではなくこのパターンのほうにあります。

上り速度と下り速度の目安

用途によりますが、Webサイトの閲覧や動画再生といった一般的な使い方であれば、下り20〜50Mbps前後あれば十分に快適です。100Mbps以上出ていれば、複数人で同時に使っても余裕があります。

光回線では、契約上の最大速度に対して実測が3割から6割程度に収まるのが一般的です。契約速度はあくまで「ベストエフォート(理論上の最大値)」であり、その速度が保証されているわけではありません。

なお、フレッツ光の提供メニューは「フレッツ 光ネクスト」だけではなくなっており、より高速な「フレッツ 光クロス」や「フレッツ 光25G」も加わっています。「フレッツ光=最大1Gbps」という前提はすでに古いので、自分の契約しているメニューを確認したうえで数値を評価してください。

まず見るべきは下り速度

インターネットを使うとき、ほとんどの人はサイトの閲覧・動画再生・アプリのダウンロードといった「受け取る」動作が中心です。これらはすべて下り速度に左右されます。

下りが足りないと、ページの表示に時間がかかったり、動画が途中で止まったりします。まずは下りの数値と、その安定度を見てください。

上り速度が効いてくる場面

一方の上り速度は、以前ほど軽視できなくなっています。次のような使い方をするなら、上りもあわせて確認しましょう。

  • ビデオ会議で自分の映像を送る
  • 写真・動画をクラウドへバックアップする
  • ゲーム実況やライブ配信を行う
  • 大きなファイルを送る・共有する

逆に、閲覧と視聴が中心なら上りはさほど気にしなくて構いません。回線事業者やプロバイダの広告に「下り最大◯Gbps」と下りばかり大きく書かれているのは、多くの人にとって効いてくるのが下りだからです。

ping値(応答速度)はオンラインゲームで効く

pingは「応答速度(単位:ms)」とも呼ばれ、データを送ってから返事が返るまでの時間を表します。値は小さいほど良好です。

応答が速ければ、ブラウザがサーバーに要求を出してから表示されるまでが短くなります。逆に遅いと、ページの表示がもたつく・通話が途切れるといった症状につながります。

目安としてはおおむね35ms以内なら快適に使えます。この数値がとくに重要なのがオンラインゲームで、値が大きいとラグ(遅延)となってプレイ感に直結します。ゲーム目的で測るなら、ping値を表示できるサイトを選ぶようにしましょう。

フレッツ利用者なら、まず公式の「フレッツ速度測定サイト」

ここがこの記事のいちばん大事なところです。NTT東日本・NTT西日本は、フレッツ光の利用者向けに公式の速度測定サイトを用意しています。

≪NTT東日本|速度測定サイトについて(サービス情報サイト)≫

「フレッツ網内」と「インターネット区間」を分けて測れる

公式サイトの利点は、汎用の測定サイトにはない区間の切り分けができることです。

  • 端末 → フレッツ網(NGN)上の測定サーバーまでの速度
  • 端末 → インターネット上の測定サーバーまでの速度

この2つを比べると、遅さの原因がどちら側にあるかが見えてきます。

測定結果のパターン疑うべき場所次にやること
網内もインターネットも遅い宅内の機器・配線、またはフレッツ網側有線接続で測り直す/ONU・ルーターを再起動
網内は速いがインターネットが遅いプロバイダ側の混雑(接続方式)IPv6 IPoE接続に対応しているか確認する
有線は速いがWi-Fiだけ遅いWi-Fiルーター・電波環境周波数帯や設置場所、ルーターの規格を見直す
特定の時間帯だけ遅い経路のどこかの混雑時間帯を変えて複数回測り、傾向を記録する

測定するときは、原因を判断しやすくするためにONUからLANケーブルでパソコンに直結するなど、できるだけシンプルな接続で試すのがコツです。無線や中継機を挟んだままだと、回線の問題なのか宅内の問題なのか区別がつきません。

フレッツ 光クロスを使っている場合の注意

公式の案内によると、フレッツ網上の測定サーバーはフレッツ 光クロスには対応していません。光クロスの回線からアクセスすること自体はできますが、光ネクスト向けのサーバーであるため光クロス利用時の速度を正確には測れないとされています。

光クロスを契約している方は、インターネット区間の測定結果や、汎用の測定サイトのほうを参考にしてください

なお、測定サイトで表示される値はあくまでその時点の実測値であり、回線の最大速度を表すものではありません。おおよその状態を知るためのチェックツールとして使いましょう。

汎用の測定サイトは目的で使い分ける

公式サイトで区間を切り分けたら、日常的な確認には汎用の測定サイトが手軽です。それぞれ特色があるので、目的に合わせて選んでください。

BNRスピードテスト

定番の速度チェックサイトです。ボタンを押すだけで自動的に計測してくれるので手間がかからず、下りと上りをそれぞれ測定します。

※かつてのFlash版は終了しているため、現在は「画像読込み版」など、ブラウザでそのまま測定できるページを利用しましょう。

BNRスピードテストの測定画面

Speedtest(Ookla)

上り・下りに加えてping値も表示されるので、オンラインゲームの環境を確認したい人に向いています。「GO」を押すとすぐに測定が始まり、ブラウザだけで完結します。測定に使うサーバーを自分で切り替えられるのも特徴です。

Speedtestの測定画面

ラディッシュ(Radish)

測定を行う接続環境を選んでから上り・下りを判定するタイプです。過去に測定した人の結果を「みんなの測定結果」ページから確認でき、回線の種類・プロバイダ・エリアで絞り込めるため、乗り換え先を検討するときの参考になります。

なお、旧来のJavaを使う測定方式は現在のブラウザでは動作しないことがあります。うまく測れないときは、Google検索の「インターネット速度テスト」やFast.comなど、ブラウザだけで完結する測定を使うと手早く確認できます。

遅いと分かったら:切り分けの順番

LANケーブルと無線LANのイメージ

測定の結果、実際に遅いと分かったときは次の順番で確認していきます。

1. 周辺機器と配線をチェック

まずは宅内の機器に問題がないかです。ONU(回線終端装置)とWi-Fiルーターの電源をいったん抜き、少し待ってから挿し直して再起動させてみましょう。長期間つけっぱなしの機器は、これだけで復調することがあります。

次に疑うのがルーターが回線速度に追いついていないケースです。

最大1Gbpsの光回線を使っていても、ルーターのLANポートが100Mbpsまでの対応であれば、そこが上限になってしまいます。10Gbps対応のメニューを契約した場合はなおさらで、ルーター側も対応機種でなければ速度は出ません。

切り分けは簡単で、一時的に有線LANで接続して測り直すだけです。有線で十分な速度が出るならWi-Fi側、有線でも遅いなら回線・プロバイダ側が原因と判断できます。

LANケーブルにも対応速度の規格があります。「CAT5」と書かれたケーブルは高速通信に対応していない可能性が高いので、CAT5e以上のものに交換してください。規格が合っているのに改善しない場合は、ケーブルの折れ曲がりや断線も確認しましょう。家具の脚で踏んでいるだけで速度が落ちることもあります。

2. 通信障害・メンテナンスをチェック

次に回線事業者・プロバイダ側の障害情報を確認します。工事やメンテナンスの時間帯は速度が大きく落ちることがあります。NTT東日本・西日本およびプロバイダの公式サイトで障害情報が出ていないか確認し、終わってから測り直してみてください。

フレッツ光が遅くなる仕組みと、IPv6 IPoEという解決策

混雑が起きるのは「網終端装置」

フレッツ光の伝送設備はプロバイダによらず共通です。そのため「プロバイダを変えれば必ず速くなる」とは限りません

フレッツ光の通信は、NTT東日本・西日本の「NGN網」(2008年に導入された次世代ネットワーク)を通り、そこからプロバイダを経由してインターネットへ抜けていきます。

従来のPPPoE方式では、このフレッツ網とプロバイダの境目にある「網終端装置」を必ず通ります。夜間などアクセスが集中する時間帯には、ここが渋滞の発生源になりやすく、「夜だけ極端に遅い」という症状の典型的な原因になっています。

フレッツ・v6オプションとIPoE接続

この混雑を避ける方法が「IPv6 IPoE」方式での接続です。IPoE方式は網終端装置を経由しない経路を通るため、混雑しやすいポイントを回避できます。

利用するには、NTT東日本・西日本が提供する「フレッツ・v6オプション」の契約が必要です。NTT西日本の公式案内でも、フレッツ・v6オプションはインターネット(IPv6 IPoE)接続に必須のサービスであり、解約するとIPv6 IPoE接続が利用できなくなると明記されています。

実際に使うには次の3つが必要です。

  • フレッツ・v6オプションの契約(プロバイダ側の申し込みに含まれることもあります)
  • プロバイダのIPv6 IPoEサービスの申し込み
  • IPv6 IPoEに対応したルーター

かつては対応するプロバイダが限られていましたが、現在は主要なプロバイダの多くが標準または無料オプションとして提供しています「申し込んだつもりで実は使えていない」「ルーターが対応していない」というケースが意外と多いので、夜だけ遅いと感じている方は、まず自分の接続方式を確認してみてください。対応状況や申し込み方法はプロバイダごとに異なるため、詳細は契約中のプロバイダの公式サイトでご確認ください。

速度を計測できるサイトに関する口コミ

速度測定についてよくある質問

フレッツ網内は速いのに、インターネットだけ遅いのはなぜ?

宅内からフレッツ網までは問題なく、プロバイダから先で詰まっている状態です。PPPoE方式で網終端装置が混雑している可能性が高いので、IPv6 IPoE接続に切り替えられないか、契約中のプロバイダで確認してみてください。

1Gbpsの契約なのに300Mbpsしか出ません。故障ですか?

故障とは限りません。契約速度はベストエフォート(理論上の最大値)で、実測が3〜6割程度に収まるのは一般的です。普段の用途で困っていないなら、その数値で問題ありません。気にすべきは絶対値よりも、極端に落ち込む時間帯があるかどうかです。

公式の測定サイトで測れません

フレッツ網上の測定サーバーはフレッツ 光クロスには対応していないと公式に案内されています。また、IPv6に対応していない環境ではIPv6での測定ができないこともあります。うまく測れない場合は、インターネット区間の測定や汎用の測定サイトを使ってください。

Wi-Fiルーターを買い替えれば速くなりますか?

有線で測ったときに十分な速度が出ているなら、買い替えの効果が期待できます。逆に有線でも遅い場合、ルーターを替えても改善しません。買い替えの判断は、必ず有線での測定結果を確認してからにしましょう。あわせて、IPv6 IPoEに対応した機種かどうかも確認してください。

まとめ:測る目的は「数字集め」ではなく「切り分け」

光回線は高速で快適に使える通信手段ですが、宅内の機器や接続方式にボトルネックがあると、その性能を活かしきれません。

速度測定でいちばん大事なのは、良い数字を出すことではなく、どこが遅いのかを特定することです。フレッツ光を使っているなら、まず公式の測定サイトで網内とインターネット区間を分けて測る。次に有線とWi-Fiを比べる。そのうえで接続方式(IPv6 IPoE)を確認する——この順番で見ていけば、必要な対策が絞り込めます。

それでもどうしても改善しない場合には、他の回線サービスへの乗り換えも検討してみてください。

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