Wi-Fiでどこにいてもインターネットにつなげる「WiMAX」。外出が多い人のなかには、自宅に光回線を引かず、WiMAXだけでネットを使っているという人もいます。

かつては、このWiMAXの通信機能をパソコン本体に組み込んだ「WiMAX内蔵ノートパソコン」も販売されていました。ルーターを持ち歩かなくてもパソコン単体でネットにつながるのが魅力でしたが、結論からいうと、いまWiMAX内蔵モデルをあえて選ぶ意味はほとんどありません。内蔵モデルが使っていた初代「WiMAX(無印)」の回線が、すでにサービスを終了しているためです。

ここでは、WiMAX内蔵ノートパソコンのメリット・デメリット、内蔵モデルが「もう古い」とされる理由、そしていま持ち運べるネット環境がほしいときの現実的な選択肢までをわかりやすく整理します。



そもそもWiMAX内蔵ノートパソコンとは

WiMAX内蔵ノートパソコンとは、モバイルルーターを別に用意しなくても、パソコン本体だけでWiMAX回線につながるようにした機種のことです。2010年前後、Windowsノートを中心にいくつかのモデルが登場しました。

ルーターの電源を入れたりWi-Fiの接続先を選んだりする手間がなく、パソコンを起動すればそのままネットにつながる手軽さが支持されていました。ただし、これは初代WiMAX(無印)の回線を前提にした仕組みで、現在の主流サービスとは事情が大きく異なります。

WiMAX内蔵ノートパソコンのメリット・デメリット

メリット(当時、評価されていた点)

パソコンひとつでインターネット接続ができた

WiMAX内蔵ノートパソコンの最大のメリットは、パソコン単体でWi-Fi接続ができる点でした。通常はルーターが必要になりますが、内蔵されていればその分だけ荷物が減ります。「ルーターを忘れた!」ということがなく、身軽に使えるのは移動や出張が多い人にとって便利でした。

電源を入れればすぐつながった

内蔵モデルは、パソコンを起動すると同時に自動でWiMAXに接続します。ルーターを起動して接続を確認する手間が省けるため、急いでメールを送りたいときなどにスムーズでした。

面倒な手続きや工事が不要だった

光回線は宅内工事に時間がかかり、開通まで1か月程度、繁忙期はそれ以上かかることもあります。ルーター型のWiMAXも機器が届くまで待つ必要がありますが、内蔵モデルはオンライン申込ですぐ使い始められる手軽さがありました。

デメリット(そして、いま選べない理由)

【最重要】頼りにしていた初代WiMAX回線が2020年3月に終了した

WiMAX内蔵ノートパソコンの多くは、2009年2月に始まった初代「WiMAX(無印)」回線を使っていました。しかし、この回線を運営するUQコミュニケーションズは、2018年9月30日に新規加入の受付を終了し、2020年3月31日をもって旧WiMAXサービスそのものを終了しています(UQコミュニケーションズ公式のニュースリリースおよびお知らせ)。周波数帯をWiMAX 2+へ切り替えるための措置で、初代WiMAX回線にしか対応していない内蔵パソコンは、現在ではそもそも通信できません。「WiMAX無印回線は2018年3月に終了」という古い情報を見かけることがありますが、正しくは新規受付終了が2018年9月末、サービス終了が2020年3月末です。

現在の主流は「WiMAX +5G」。内蔵モデルは非対応

現在のWiMAXの主力サービスは「WiMAX +5G」で、5G・au 4G LTE・WiMAX 2+の回線を使って高速通信します。新規で申し込める料金プランも「ギガ放題プラスS」などの +5G向けプランに移っており、WiMAX 2+世代の「ギガ放題」系プランは新規受付を終了しています。WiMAX内蔵ノートパソコンはこれら新しい回線・プランに対応しておらず、最新の通信環境を活かせません。これから新品のパソコンを買うのであれば、あえて内蔵モデルを探す理由はないといえます。

バッテリーの消費が早い

パソコン単体で使うよりも、通信機能を併用するぶん電力を多く使うため、バッテリーのもちが悪くなります。外出先ではコンセントやモバイルバッテリーが手放せないという手間が発生しがちでした。

故障するとパソコンもネットも同時に使えなくなる

パソコンが故障して修理に出すと、通信機能も一緒に手元からなくなります。ルーターが別にあればスマホは接続できますが、内蔵モデルだとパソコンとネットの両方が同時に使えなくなるのが弱点でした。持ち運ぶ機会が多いノートパソコンは故障の可能性も高く、常時ネットを使いたい人には不向きです。

ほかの端末をつなげない

内蔵モデルは、そのパソコン自身しか接続できません。ルーターならスマホやほかのパソコンも一緒につなげますが、内蔵パソコンにはルーター機能がないため、1台のパソコンでしか通信できないのです。複数の端末で使いたいなら、内蔵ではなくルーター型のほうが便利でした。

手元にWiMAX内蔵パソコンが残っている場合はどうする?

「押し入れから出てきた」「まだ動くので使いたい」という場合でも、通信機能だけは復活させられません。回線そのものが停波しているため、内蔵モジュールは電波を掴む相手がいない状態です。ただしパソコンとしては問題なく使えますので、次のどちらかで通信手段だけを外から足せば実用に戻せます。

  • 手持ちのモバイルルーターやホームルーターにWi-Fiでつなぐ…内蔵の通信機能は使わず、パソコンのWi-Fi機能で接続します。
  • スマホのテザリングでつなぐ…追加の契約なしで済むのが利点です。

なお、OSのサポート期限が切れているパソコンをそのままインターネットに接続するのは避けてください。2010年前後の機種は、セキュリティ更新が終了したOSのままになっている可能性があります。ネットにつなぐ前に、OSのバージョンとサポート状況を確認しましょう。

かつてあった「WiMAX内蔵スマホ」も、いまは事情が違う

過去には、auがWiMAX 2+に対応したスマートフォンを提供していた時期もありました。ただし内蔵スマホにはルーター機能がなく、月間データ量の上限(当時は7GBなど)が設けられているものもあり、必ずしも「使い放題」ではありませんでした。

現在は、各キャリアが5G・4G対応のスマートフォンを提供しており、スマホの「テザリング」機能を使えば、パソコンやゲーム機なども一緒にネットにつなげます。わざわざWiMAX内蔵の端末を探す必要はなくなっている、というのが実情です。

WiMAXとパソコンをつなぐ設定方法(基本)

無線(Wi-Fi)でつなぐ場合

Wi-Fiを内蔵したパソコンなら、モバイルルーターへの接続は簡単です。パソコンの設定画面でWi-Fiを有効にし、接続先一覧から使いたいWiMAX(ルーター)の電波を選び、セキュリティーキー(パスワード)を入力すれば完了です。ルーターに付属する説明書やラベルに接続情報が書かれているので、パソコンに不慣れな方でも迷わず設定できます。

有線(USB)でつなぐ場合

機種によっては、USBケーブルでルーターとパソコンを直接つないで通信できるものもあります。ケーブルで物理的につなぐぶん取り回しは劣りますが、無線より安定した通信が期待できる場合があります。対応の可否は機器によって異なるため、購入前に仕様を確認しておきましょう。

Wi-Fiがないパソコンの場合

最新のパソコンはほとんどWi-Fi機能を内蔵していますが、まれに内蔵していない機種もあります。その場合は、ルーターと有線でつなぐか、USB接続の外付けWi-Fi子機を追加して無線接続する方法があります。

つながらない・遅いときの対処法

圏外になってしまう場合

ひとつは「電波が届かないエリア」の可能性です。対応エリア外だったり、建物の立地で電波が入りにくかったりすると圏外になります。場所を少し移動して改善するか試してみましょう。もうひとつは「料金の未払い」で、支払いが滞ってサービスが止められている場合も圏外表示になります。電波状況が悪くないのに圏外なら、支払い状況を確認してみてください。

つながるけれど速度が遅い場合

電波状況のほか、速度制限がかかっている可能性があります。WiMAX +5Gでは、2022年2月1日に「直近3日間で15GB以上」という一律の速度制限が撤廃され、スタンダードモードならデータ容量の上限なしで使えます。ただし公式の注意書きにあるとおり、一定期間内に大量のデータ通信があった場合は、混雑する時間帯の速度が制限されることがあります(完全に無制限と言い切れるわけではありません)。

また、より広いエリアで使える有料オプション「プラスエリアモード」(月額1,100円。auスマートバリューやUQ mobileの自宅セット割 インターネットコースの適用中は無料)には、月間のデータ容量の上限があり、超えると当月末まで送受信最大128kbpsに制限されます(翌月1日に順次解除。スタンダードモードでの利用は対象外)。上限のギガ数は改定されることがあるため、最新の条件はUQ WiMAX公式のプランページでご確認ください。なお、新規受付を終了した旧プラン(WiMAX 2+のギガ放題系)には、いまも直近3日間の通信量にもとづく速度制限が残っています。

いま「持ち運べるネット」がほしいならどうする?

WiMAX内蔵ノートパソコンにこだわる必要はありません。いまのパソコンやスマホをそのまま使いながら、次のような方法で持ち運べるネット環境を用意できます。

  • モバイルルーター(WiMAX +5G対応)…2026年9月時点でUQ WiMAXが取り扱う現行のモバイル端末はSpeed Wi-Fi DOCK 5G 01です。付属のドックに置くだけで充電でき、複数の端末を同時につなげます。
  • ホームルーター(工事不要)…自宅で使うなら、コンセントに挿すだけのSpeed Wi-Fi HOME 5G L13が現行機です。光回線のような開通工事が要らず、LANケーブル接続時は受信最大2.5Gbpsに対応します。
  • スマホのテザリング…手持ちのスマホから、パソコンやゲーム機をネットにつなげます。まずは今ある回線で十分な場合も多いです。

かつて主力だった Speed Wi-Fi 5G X12 や HOME 5G L12/L11 は、いずれもUQ WiMAX公式では終売製品として扱われています。これから契約するなら、現行の2機種から選びましょう。

「自宅やよく行く場所でちゃんと電波が入るか不安」という人は、UQ WiMAX公式の「Try WiMAX」で15日間、無料でルーターを試せます(貸出期間は機器の発送日と返却日を含む15日間。申し込み条件は公式サイトでご確認ください)。契約前に電波や速度を確かめられるので、契約後の「思ったより入らなかった」を防げます。

WiMAX内蔵パソコンにまつわる、当時の口コミ

参考までに、WiMAX内蔵パソコンが現役だった頃の利用者の声を紹介します(いずれも旧WiMAXサービスが提供されていた当時の過去の投稿です)。

1つ目の投稿にあるように、災害時に固定回線や携帯電話がつながりにくくなる場面で、別系統の回線が手元にあることが助けになった例もあります。いまの環境で同じ備えをするなら、内蔵パソコンではなく「自宅の固定回線+スマホ回線」など、別々の回線を持っておくという形になります。

WiMAX内蔵パソコンについてよくある質問

Q. 内蔵の通信機能だけを、いまのWiMAX +5Gに対応させることはできますか?

A. できません。内蔵モジュールは初代WiMAXの電波を受けるための部品で、ソフトウェアの更新で新しい回線に対応させられるものではありません。外付けのルーターかスマホのテザリングで通信手段を用意するのが現実的です。

Q. 中古市場でWiMAX内蔵ノートを見かけますが、買っても大丈夫ですか?

A. 「WiMAX内蔵」という機能に価値はありません(回線が終了しているため)。パソコンとしての性能・OSのサポート状況・バッテリーの状態だけで判断してください。内蔵機能を目当てに割高な個体を選ばないようにしましょう。

Q. モバイルルーターとスマホのテザリング、どちらがいいですか?

A. 使う頻度と時間の長さで決めるのが分かりやすい基準です。外で長時間パソコンを使うならモバイルルーター(スマホのバッテリーを消耗しない・複数台つなげる)、たまに短時間つなぐだけならテザリング(追加の契約が不要)が向いています。

Q. 「WiMAX 2+」と「WiMAX +5G」は、名前が似ていますが別物ですか?

A. 世代が違います。WiMAX +5Gは、5G・au 4G LTE・WiMAX 2+の回線を組み合わせて使う現行サービスです。新規で申し込めるのは +5G向けのプランのみで、WiMAX 2+世代のプランは新規受付を終了しています。この記事で扱っている「初代WiMAX(無印)」は、そのさらに前の世代です。

まとめ

WiMAX内蔵ノートパソコンは、パソコン単体でネットにつながる手軽さが魅力でした。しかし、その前提だった初代WiMAX(無印)回線は2020年3月31日で終了し、現在の主流は「WiMAX +5G」に移っています。内蔵モデルは新しい回線に対応できないため、いまあえて選ぶ意味はほとんどありません。

持ち運べるネット環境がほしいなら、WiMAX +5G対応のモバイルルーター(Speed Wi-Fi DOCK 5G 01)やホームルーター(Speed Wi-Fi HOME 5G L13)、あるいはスマホのテザリングを活用するのが現実的です。契約前に電波を確かめたいときは、UQ公式の無料お試し「Try WiMAX」も上手に使ってみてくださいね。

ネット回線の先生ネット回線の先生

オンラインゲームやスマホのゲームで遊んだり高画質の動画を快適に見るには安定した通信回線が必要です。日本の通信インフラは非常に優秀で、近年は安定して通信できるようになってきました。通信速度や安定性に不満を感じる機会が少ないため、通信回線を1度契約して何年も利用し続けている人が大半ですが、実はプロバイダーや通信回線は定期的に切り替えて、切り替え時のキャッシュバックを受け取ることで通信料を実質的に節約することができます。切り替え先としておすすめしたいのがGMOグループが提供しているGMOとくとくBBです。

GMOとくとくBB

GMOとくとくBBは、フレッツ光(GMOとくとくBB光)を提供しつつ、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの携帯電話とセット利用でお得になる「ドコモ光」「auひかり」「ソフトバンク光」のプロバイダーとしても高い人気を集めています。

人気の理由は、「数万円単位のキャッシュバックサービス」「割安な月額利用料」「IPv6を利用した安定した通信速度」「高い顧客満足度」です。格安SIMを利用している人は「フレッツ光」、三大キャリアを利用している人は、割引サービスがある「ドコモ光」「auひかり」「ソフトバンク光」を利用することで、お得に利用することができます。

キャッシュバック金額はそれぞれのサービスで異なります。「え、ほんとにこんなにもらえるの?」と疑いたくなるぐらい高額なキャッシュバックキャンペーンをやっていることが多いのでぜひ確認してみてください。