ポケット型Wi-Fiでオンラインゲームは遊べる?

結論から言うと、ゲームの種類によって向き不向きがはっきり分かれます。

ターン制のRPGやパズル、育成シミュレーションのように一瞬の遅れが勝敗に響かないゲームなら、ポケット型Wi-Fi(モバイルルーター)でも十分に楽しめます。一方で、対戦型のシューティングや格闘ゲームのように0.1秒の遅れが命取りになるジャンルは、正直おすすめしにくいのが実情です。

ただ、その理由は多くの人が思っている「速度が遅いから」ではありません。本当に効いてくるのは、速度ではなく応答の速さと安定性です。ここを取り違えると、対策の方向を間違えます。

この記事では、公式が公開している数値を手がかりに、必要な通信環境の目安と、実際に遊ぶときの工夫を整理していきます。



速度より先に見るべきは「Ping値」

オンラインゲームは、自分の操作を相手に送りながら、相手の情報も受け取り続けることで成り立っています。この往復のやり取りが滞ると、いわゆるラグになります。

用途別に必要な速度の目安

まず、どのくらいの速度が要るのかを確認しておきましょう。UQ mobileの公式解説では、用途ごとの目安が次のように示されています(2025年6月時点の情報として掲載)。

用途必要な速度の目安
オンラインゲーム上り下り:30〜100Mbps
Web会議下り:10〜30Mbps/上り:1Mbps程度
動画視聴下り:10〜20Mbps
Webサイトの閲覧下り:5〜10Mbps
LINEやメール上り下り:1〜10Mbps

「bps」は1秒間に送受信できるデータ量を表す単位で、数字が大きいほど高速です。1Mbpsは1,000kbps、1Gbpsは1,000Mbpsにあたります。

アップロード(上り)は自分から送るデータ、ダウンロード(下り)は受け取るデータの速さです。オンラインゲームは送る・受け取るを同時に行うため、上りと下りの両方が必要になります。

モバイルルーターの実測平均は100Mbps程度

ここで意外に思われるかもしれませんが、同じ解説ページでは回線の種類ごとの実測平均も紹介されています。

回線の種類実測での平均的な速度
光回線400Mbps程度
ホームルーター200Mbps程度
モバイルルーター100Mbps程度
用途別に必要な通信速度の目安を示す棒グラフ。オンラインゲームは30〜100Mbpsで最も高い
オンラインゲームは上り下りとも、動画視聴・Web会議は下りの目安です(Web会議の上りは1Mbps程度)。

光回線には及びませんが、オンラインゲームの目安(30〜100Mbps)に照らせば、平均的には足りている水準です。つまり「ポケット型Wi-Fiは速度が足りないからゲームができない」という説明は、少なくとも数字の上では正確ではありません。

※これは全国の直近3か月の平均から算出された参考値です(2024年8月時点)。実際の速度は、場所・時間帯・端末の世代によって大きく変わります。

では何が違うのか——Ping値の読み方

Ping値(ピング値)は、データがサーバーとの間を往復するのにかかる時間です。「◯ms(ミリ秒=1/1000秒)」で表され、数字が小さいほど反応が速いことを意味します。

速度が「一度にどれだけ運べるか」だとすれば、Ping値は「行って帰ってくるまでの時間」です。対戦ゲームで感じるラグは、速度ではなくこちらが原因になっていることがほとんどです。

モバイル回線は、電波を基地局まで飛ばして中継する分、有線の光回線よりPing値が大きくなりやすいという構造的な特徴があります。しかも、電波の状態によって値が上下しやすい。この「ばらつき」が、対戦ゲームでは特にこたえます。

ネット回線の先生ネット回線の先生

同じ50msでも、常に50msなのか、30msと120msを行き来しての平均なのかで体感はまるで違います。数値そのものより、ブレの小ささが快適さを決めると考えてください。

自分の環境を実際に測ってみる

目安を知ったら、次は手元の環境を測ってみましょう。スピードテストと呼ばれるサービスで、下り・上りの速度に加えてPing値まで確認できます。

手軽なのは、Google検索で「インターネット速度テスト」と検索する方法です。検索結果の画面からそのまま測定を開始できます。ほかにも測定サイトはいくつもあるので、Ping値まで表示されるものを選ぶとよいでしょう。

測るときのコツは、一度だけでなく、時間帯を変えて何度か測ることです。平日の昼、夜のゴールデンタイム、休日の午後——混み合う時間帯にどこまで落ちるかが分かると、自分の環境で遊べるゲームの範囲が見えてきます。

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「回線落ち」が起きるときに疑う3つのこと

プレイ中に接続が切れる、いわゆる回線落ち。原因は大きく3つに分けられます。

① 速度制限——いまのWiMAXに「月7GBの上限」はありません

ここは情報が古いまま出回っているところなので、はっきり書いておきます。

UQ WiMAXの現行プラン「ギガ放題プラスS」にはデータ量の上限が設けられていません。かつての「月7GBまで」は、旧世代のプランやLTEオプションの話で、現在の主力プランには当てはまりません(旧「ギガ放題(WiMAX 2+)」などは新規受付を終了しています)。

ただし完全な無制限ではありません。公式には「一定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があります」と明記されています。また、エリアの混雑状況やネットワークの高負荷が続いた場合にも、速度が制限されることがあります。

つまり、「毎月◯GBで足切り」ではなく「使いすぎると混む時間帯だけ遅くなることがある」という仕組みに変わっているわけです。夜のゴールデンタイムだけラグがひどい——という場合は、これに当たっている可能性があります。

なお、プランの内容や制限の条件はプロバイダーによって異なります。契約している会社の公式サイトで、いまの条件を確認しておきましょう。

② 電波の状態が不安定になっている

速度制限にかかっていないのに切れる場合は、単純に電波が届いていないことが考えられます。

モバイルルーターは、基地局からの電波を受け取って中継する機械です。建物・壁・家具といった障害物に遮られると受信が弱まり、接続が途切れます。「アンテナは立っているのに切れる」ときは、電波の強さではなく品質が落ちていると考えてください。

③ ルーター本体のバッテリーが切れた

意外と多いのがこれです。モバイルルーターの充電が切れれば、当然そこで通信は終わります。ゲームに集中していると、スマホの残量は見ていてもルーターの残量は見ていない、ということが起こりがちです。

長くプレイする日は、ルーターを充電しながら使うのが確実です。使わないときは電源を切っておくと、いざというときに残量で困りません。

少しでも快適にするための置き方・使い方

端末の性能そのものは変えられませんが、置き方を変えるだけで体感が変わることは珍しくありません。

窓際に置き、障害物から離す

基本にして最も効くのがこれです。窓際など、外からの電波が入りやすい場所にルーターを置きましょう。

逆に避けたいのは、棚の中、部屋の四隅、床に直置き。水の入ったものや金属製の物は電波を吸収します。電子レンジの近くも、電波干渉で速度が落ちる原因になります。

屋外なら、高い建物が密集していない開けた場所のほうが安定します。

ゲーム機・スマホとルーターの距離を縮める

見落とされがちですが、ルーターと手元の機器の間もWi-Fiでつながっています。ここが弱ければ、いくら基地局からの電波が良くても意味がありません。

プレイ中は、ルーターを手の届く範囲に置いてみてください。それだけでPing値のブレが小さくなることがあります。

大きなダウンロードは、プレイ前に済ませておく

近年のゲームは、アップデートのたびに数GB単位のデータをダウンロードします。これをプレイ直前にやると、通信が詰まってラグの原因になります。

アップデートは、混雑しにくい時間帯に先に済ませておく。同じ回線で家族が動画を見ている時間を避ける。この2つを意識するだけでも、体感はかなり変わります。

それでも厳しいと感じたときの選択肢

置き方を工夫してもラグが取れない場合、回線そのものを見直す段階です。

  • 自宅で遊ぶ時間が長いなら光回線……有線接続ができ、Ping値が安定します。対戦ゲームを本気で遊ぶならこれが本命です
  • 工事ができない住まいならホームルーター……実測平均200Mbps程度。据え置きなので電波の状態が安定しやすい
  • 持ち運びが必須ならモバイルルーターのまま端末を新しく……古い世代の端末を使っているなら、機種変更で改善することがあります

「外出先でも遊びたい」という条件があるなら、モバイルルーターを捨てる必要はありません。遊ぶジャンルと場所に合わせて選ぶのが、いちばん無駄がない考え方です。

ポケット型Wi-Fiとオンラインゲームのよくある質問

Q. Ping値はいくつなら快適に遊べますか?

ゲームのジャンルによって求められる水準が違うため、一律の基準はありません。ターン制や非同期のゲームなら多少大きくても支障はなく、対戦アクションでは小さいほど有利という関係です。まずは自分がよく遊ぶゲームで測ってみて、快適に感じたときの値を基準にするのが現実的です。

Q. モバイルルーターに有線でつなぐことはできますか?

機種によっては、クレードル(卓上の充電スタンド)を使って有線LANポートを利用できるものがあります。対応の有無は機種ごとに異なるので、購入前にメーカーの仕様を確認してください。有線でつなげれば、Wi-Fi部分の不安定さは取り除けます。

Q. 速度制限がかかったら、追加料金で解除できますか?

スマホの料金プランでは追加のデータを購入できる場合がありますが、WiMAXの現行プランは「データ量の上限で止まる」仕組みではないため、その考え方が当てはまりません。混雑時間帯の制限は、時間の経過を待つことになります。プロバイダーごとに条件が異なるので、契約先の案内をご確認ください。

Q. 5GHz帯と2.4GHz帯、ゲームにはどちらがよいですか?

ルーターの近くで遊ぶなら5GHz帯が有利です。電波干渉を受けにくく、速度も出やすい傾向があります。ただし障害物には弱いため、壁を隔てた別の部屋から使うなら2.4GHz帯のほうが安定することもあります。両方試して、Ping値が安定するほうを選んでください。

Q. スマホのテザリングと、どちらがよいですか?

短時間ならテザリングでも遊べますが、スマホのバッテリー消費と発熱が大きく、長時間のプレイには向きません。また、スマホの料金プランのデータ量を消費します。毎日まとまった時間を遊ぶなら、専用のルーターを分けたほうが結果的に快適です。

まとめ

  • オンラインゲームの速度の目安は上り下り30〜100Mbps。モバイルルーターの実測平均は100Mbps程度で、速度自体は足りていることが多い
  • ラグの正体は速度ではなくPing値とそのブレ。対戦アクションが苦手なのはこのため
  • 現行のWiMAXに月7GBの上限はない。ただし一定期間に大量の通信があると、混雑時間帯に速度制限がかかることがある
  • 回線落ちは速度制限・電波・バッテリー切れの3つを順に疑う
  • 窓際に置く、手元との距離を縮める、大きなダウンロードを先に済ませる——これだけでも体感は変わる

遊ぶジャンルと場所がはっきりすれば、選ぶべき回線もおのずと決まります。まずはいまの環境をスピードテストで測ってみるところから始めてみてください。料金プランや制限の条件は変更されることがあるため、契約前には各社の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

ネット回線の先生ネット回線の先生

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