光回線に関するトラブル・クレーム
今や日常生活において必要不可欠となったインターネット。中でも、速度も安定し有線接続やWi-Fiなど幅広い使い方ができる光回線を契約している人は多いとかと思います。
一度契約してしまえば快適なインターネットを楽しむことができるのですが、契約時や利用する際に「話が違うじゃないか!」と思わぬトラブルが発生してしまうことも少なくありません。
現在はSNSも普及して、そういった被害の体験が可視化されやすくなりましたが、いまだに光回線サービスの電話勧誘トラブルが多く発生しているようですね。近年は、総務省が直々に注意を呼び掛けているほどですので、根深い問題なのかもしれません。
光回線の月額料金や違約金は決して安い金額ではありませんし、できることならトラブルは避けたいものですよね。
そこで今回は、光回線を利用する際によくある苦情やトラブルを、事例も交えて詳しく解説していきたいと思います。
同時に、そういったトラブルに巻き込まれないためにできる対処法などもまとめていきますので、これから光回線を契約する人や、プロバイダを乗り換える予定の方は是非参考にしてみてください。
光回線契約時によくある悪質な勧誘
NTT公式を装った電話口での悪質な勧誘
ある日、NTT公式を名乗る者「契約している光回線が年間一万円以上安くなるサービスを開始しました。」という電話が来ました。
質問に答えていくと「サービスを利用するにはお客様の意思で『転用承諾番号』を発行してもらう必要があります。」と言われ、言われるがまま転用手続きサイトに誘導されたのですが怪しく感じ、口実をつけて電話を切りました。
後日調べてみると、同じ手口の契約トラブルが沢山出てきてヒヤリ・・・あのまま入力していなくてよかったです。
「切り替え工事が完了した」と嘘をついて勧誘電話
急に電話があり、「NTTの回線切替工事が完了したので、プラン変更の案内です」といわれました。
意味がわからないので質問を続けていたら、結局ただの新規回線の勧誘・・・。工事が完了などという紛らわしい言い方は詐欺なのではないですか?
高齢者やネットに詳しくない人を狙った訪問勧誘
家に70代の母がいるのですが、どうやら私がいない時間帯に「今お使いのネットの契約変更が必要です。」と言う人が訪ねてきたようでした。
母は訪問者の言われた通りに差し出された紙に色々記入してしまったらしく、後日請求書を確認したら契約会社が前と変わっており、不要なオプションも知らないうちに加入させられ以前よりも高くなってしまいました。
何もわからない高齢者を狙った悪質な手口に、怒りを覚えます。
契約するとタブレットプレゼント!でも実は・・・
某代理店で「今契約するとタブレットがもらえる!」というキャンペーンをやっていたので早速申し込みしました。契約後、確かにタブレットはもらえたのですが、昔の機種でスペックもイマイチで・・・
しかもタブレットをもらうための条件もかなり厳しく、結果的に最新タブレットを分割で買うよりはるかに高い月額料金を支払う羽目になってしまいました。3年縛りで簡単には変更・解約できないし、こんなことなら普通に契約しておきべきだったと後悔しています。
光回線とプロバイダの契約を一本化できる「光コラボレーションモデル(光コラボ)」の登場により、回線の乗り換えが容易にできるようなった反面、電話口や訪問などの契約・勧誘トラブルが増えてきています。
中でも、今回のようにNTTを装って自社の光コラボレーションに契約変更を誘導したり、ネット知識が疎い人をターゲットに高額なプランや不要なオプションに加入させる手口はかなり悪質です。
また、プロバイダでよく行われている流行の電子端末やゲーム機をプレゼントするキャンペーンも、「もらえる!」とうたってはいるものの、もらうためには高額プランやオプションサービスの加入が必須だというケースが少なくありません。
「お得」「安くなる」「手続きも簡単」という甘い言葉には十分注意しなければいけませんね。
光回線契約の悪質勧誘に遭ったときの対処法
まず、勧誘電話に関しては受け取った時点で話はまともに聞かず即断る・電話を切るという対処法が最も有効的です。
電話勧誘は訪問勧誘と違って名刺や顔といった基本的な企業情報が見えづらく、「NTTです」と言われただけでついつい話を聞いてしまいます。
ダラダラと話を聞いていると相手も言葉巧みにまくしたててきますし、こちらの曖昧な返答や相槌によっては「同意した」とみなされて勝手に契約を結ばれたケースもゼロではありません。
聞いたことがない会社はもちろんですが、NTTと名乗っていても「何もしなくても安くなるよ!」といった内容の話が出てきた時点で「おかしいな?」と疑い、あれこれ言われる前に「今忙しいので」「必要ありません」と断って電話を切りましょう。
また、訪問勧誘に関しては玄関や敷地内に招き入れないというのが最も良い対処法となりますが、もし万が一敷地内に入られて契約変更などを迫られた際は「もうすでに変えてしまった。」「先日変更したばかりで必要ありません」と嘘も方便で言ってしまって対処するのもいいでしょう。
通常、フレッツ光から光コラボ事業者に乗り換える分には自宅の電話番号が変わりませんが、光コラボ事業者から他社の光コラボ事業者に乗り換える場合には自宅の電話番号が変わってしまうため、ユーザーの多くは一度変更した後にまた変更したいとは思いません。
「すでに光コラボ事業者に乗り換えてしまった」と伝えてしまえば、「それなら望み薄かな・・・」と相手も思い、比較的すんなりと断れる確率が高い、というわけです。
たまに「どちらに変更しました?」と食い下がってくる人もいますが、わざわざ教える義理はこれっぽっちもありません!
「言えません。言う必要はありませんよね?」と強気に断りましょう!
ネットに詳しくない家族が対応する可能性がある場合、「ネットのことは私が決めるから勝手に決めないで」と伝えておいたり、書類を出されても受け取らない・記入しないということを、家族同士であらかじめ決めておくといいでしょう。
とにかく、独断で話を進めさせないことが最も重要です。
こういった悪質な勧誘活動を受けて総務省では、光回線や光コラボレーションサービスの電話勧誘に関する注意喚起をリーフレットなどで直々に啓発しています。
>光コラボレーションモデル|不適切な電話勧誘にご注意ください
>総務省|光回線サービスの電話勧誘に関する注意啓発について
そもそも、冷静に考えて大切な契約を電話や訪問時の一筆だけで全部決めさせようとするのはどう考えてもおかしな話です。
断るというのは勇気がいることではありますが、毅然とした態度で曖昧な言葉を使わずきっぱり断るように心がけましょう。
光回線代理店でのトラブル・クレーム
キャッシュバックが全額受け取れない!
代理店で「最大70,000円キャッシュバック」というから加入したのに、実際に受け取ったキャッシュバックはなんと20,000円でした。
おかしいと思って代理店に問い合わせたところ、「70,000円は最大でもらえる金額。この契約内容だと有料オプションをいくつもつけないと最大金額には適用しません。」とのこと。
そんな話は加入時に説明されなかった!と食い下がってはみましたが、当時担当した人の名前も覚えていなければ、やりとりを録音したわけでもないので聞き入れてもらえず・・・。
お得だと思って加入したのに、しなければよかったです。
勝手に有料オプションをつけられていた!
先日光回線を契約したのですが、初月の月額料金が予想よりもかなり高額となっていたので何かと思って調べたところ、追加した覚えのないオプションがいくつも契約されていました。
慌てて登録を解除し、契約した代理店に返金を申し立てたところ、「このプランは、初月のみだがオプション加入が必須となっている。無料の間に解約しなかったのはそちらの落ち度だから返金できない。」と言われてしまいました。
そんなこと契約時には一切説明がなかったし、オプションにチェックを入れたのも私ではなくて向こう・・・明らかに詐欺だと思います!
ソフトバンク光やauひかりなど、大手回線会社との契約を仲介する代理店がありますが、代理店独自の取り決めやオプションによって「予想していたのと違う」という問題に陥ってしまうケースが多いようです。
ソフトバンク、au、ドコモ・・・と言われると、「名前も知られている大企業の後ろ盾だし、この会社は安心できるだろう」と思ってしまいますが、内容をよく理解して契約しないと契約後に思わぬ出費がかかってしまうので注意しないといけません。
代理店を介した契約で損をしないための対処法
ここで勘違いしないでいただきたいのが、すべての代理店が悪質というわけでは決してありません。
中には正規店で契約するよりもお得に契約できる代理店もたくさんありますし、高額キャッシュバックなども正規点では受けられない代理店ならではのサービスとなっています。
そんな代理店で損をしないために大切なのは、プラン内容やキャンペーンの適用条件などを契約前に必ず確認することです。
- キャンペーンなしの場合の月額料金はいくらか
- キャンペーンを適用させるために特別な条件はあるか
- キャッシュバックの受け取り方法・期間 など
特に、キャッシュバックキャンペーンに関しては、受け取り方法や受取期間などが細かく設定されている代理店もあります。
単に「金額が高いから」というだけで即決せず、必ず最初に内容を確認して熟知しておきましょう。
複雑で即決できない場合は、無理せず「検討させてほしい」と伝えて一旦電話を切ることをオススメします。
※こんな代理店・契約条件は要注意!
内容を把握して契約すればお得な代理店ですが、以下のような契約条件を提示してくる代理店は良心的ではない可能性が高くなります。
■ 疑わしい代理店・契約条件の特徴
- 「即日申し込みでないとキャンペーンが適用できない」などと言って契約を急かす。
- キャンペーン適用に自己申告を求めてくる
- 「電話をかけなおすと割引は適用されない」と言って契約の即決を求めてくる。
- 追加オプションについて触れようとしない。聞いてもはぐらかされる。
- 「価格が安い」という部分しか話さない。
自分に有利な条件で契約させたい悪質な代理店というのは、とにかく相手に契約書の細部まで確認されることを嫌がるものです。
そのため、「即日契約しないと・・・」と急かしてきた場合は、どんなに内容が好条件でも断ったほうがいいでしょう。その代理店を断ったとしても、キャッシュバックキャンペーンを打ち出している代理店はいくらでもあります。
また、キャッシュバックキャンペーンを申し込む際に「キャッシュバックが欲しい」と相手に自己申告させる契約方法も要注意です。
この手口の場合、キャンペーンページから申し込みをしたとしてもオペレーターからキャッシュバックに関して尋ねられることはありません。
ここで「キャッシュバックが欲しいんですが・・・」と自己申告をしないと、契約者はキャッシュバックを貰える気でいても「いやいや、申し込みの時に自己申告してないですよね。」といつの間にか適用外にされてしまいます。
相手の思い込みなどを利用した悪質な手口なので、キャッシュバックキャンペーンを利用したいと考えている人は十分注意しましょう。
万が一、そういった不利益な契約をしてしまったという時のために、契約した日付や時間帯、契約の説明をした担当者の名前を控えておき、できれば会話の内容も控えておくとより安心です。
代理店への返金要求はもちろんですが、消費者センターに連絡をして指示を仰ぐ際にも、会話した内容や証拠などを残しておくことが重要になります。必ず残しておくようにしてください。
言った・言わないの水掛け論に発展すると根本的な解決は難しくなりますよ!
回線工事に関するトラブル・苦情
光回線の工事が予定日に来なかった
あろうことか、光回線の工事予定日に工事の業者が来ませんでした。遅れるという連絡もないままにです。
工事業者の連絡先はわからないし代理店も休みだったのか電話しても連絡が取れず、どうしようもなくてNTTに電話したけれど、NTTではわからないの一点張り(当たり前といえば当たり前ですが)
その後代理店に電話をして改めて工事に来てもらいましたが、そのまま解約したかったくらいです。インターネットを急いで開通させたかったので解約もできず、申し込まなければよかった。
工事がどんどん遅れていく
開通工事の予定を入れていただいていたのですが、直前に連絡があり「ブッキングしてしまったので予定を少し遅らせてほしい」と連絡がありました。そして2週間ほど先になったのですが、当日になっても連絡がないため代理店に連絡したところ、そこからまた相談もなしに1ヶ月先の工事予定にされてしまっていたのです。
いつまでも開通しないので困るといっても早めてもらえず、結局1ヶ月遅れで工事が入りましたが、こんなことであれば他の回線業者に申し込んでおけばよかったと思いました。
また、回線工事に時間がかかることで有名なNURO光では、2020年に回線工事とキャンペーン適用期間に関するトラブルが発生しています。
この件は簡単に説明すると、
- 月額980円になるキャンペーンで契約したが、1年以上たっても回線工事が完了しなかった。
- 1年以上待ってやっと開通したと思ったらキャンペーンが適用されていない通常料金だった。
- カスタマーに問い合わせたら「12か月以内に利用開始できなかったから割引適用外だ」と言われてしまった。
・・・というものでした。結果的にこの方はキャンペーンを適用&返金してもらえることになったそうですが、この件に限らず回線工事のトラブルは予期せず起きることが多いので対処しようがないため非常に厄介です。
NURO光に関しては、以下の記事でも詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください!
回線工事トラブルに遭ってしまった時の対処法
予定日に工事会社が来ないというのは滅多にないことですが、実際にこのようなトラブルに見舞われる人は少なくないようです。
もし、予定していた日や時間に工事会社が来ない場合は、代理店申込みであれば代理店に電話、プロバイダ申込みであればプロバイダに連絡をしてみましょう。
その日に来れないとなると別の日に調整ということになってしまいますが、根気強く調整を依頼すれば何とかしてくれる場合があります。
回線工事をしてもらわない限りはネットも利用できません。来ないからといって放置せず、なるべく早めに連絡をして調整してもらうようにしましょう。
悪質な業者に騙されてしまった!こんな時はどうする?
どんなに気を付けていても、悪質な業者は言葉巧みに相手を騙して契約させようとしてきます。明日は我が身かもしれません・・・
もし、こういった悪質な回線業者の被害にあってしまった時は焦らず冷静に、以下の制度や機関を利用したり連絡・相談してみましょう。
初期契約解除制度を利用する
「理解が不十分なままに契約をしてしまった」「勧誘に言われるがまま契約してしまった」など、悪質な勧誘に押され契約してしまった時は、契約後8日以内に初期契約解除制度を利用すれば少ない負担で契約をキャンセルすることが可能です。
初期契約解除制度とは、クーリングオフに似た制度で、利用者の都合のみで契約を解除することが可能となっています。
とはいえ、違約金の支払いは不要であっても利用したサービスの料金や工事費、事務手数料などについては請求されることがありますので注意が必要です。
何年も我慢して不当な金額を支払うよりはマシ・・・くらいの気持ちで利用するといいかもしれませんね!
国民生活センター・消費生活センターに相談する
契約内容等で不安に思うことや光回線のトラブルに巻き込まれて自分一人では解決できそうにない場合は、1人で悩まず国民生活センターや消費生活センターへ相談するといいでしょう。
専門の相談員が公正な立場で対応してくれますし、会社側に明らかに悪質だと分かれば強い味方となってくれます。
ただ、先にも述べたように契約時の内容や証拠などを残して伝えることが重要になりますので、支店名、電話番号、担当者などの情報を必ず残しておくようにしてください。
光回線に関する相談窓口連絡先
消費者ホットライン | 188(局番なし) |
※最寄りの消費生活相談窓口を案内してくれます。 |
最寄りの相談窓口に電話がつながらない場合
国民生活センター | 03-3446-1623 |
平日 10:00~12:00、13:00~16:00 |
まとめ
今回は、光回線に関するトラブルや悪質な勧誘への対処法についてまとめました。
光回線を利用するには、契約内容の把握や、金額・代理店の吟味、工事日の調整など・・・やることが沢山あるため、どんなに気を付けていても冷静な判断ができなくなってしまうこともあります。
こういった消費者の「めんどくさいな」「適当でいいかな」という、ちょっとした心の隙間に悪質な業者は漬け込んでくるものです。
少しでも対応がおかしいな?ちょっと話がうますぎるな?と感じたら、そのまま鵜呑みにしてしまうのではなく、勇気を振り絞ってきっぱりと断りましょう。即日契約を求めてくる業者はもってのほかです。
代理店を介して契約をする際は、契約内容やキャンペーン内容を自分自身でしっかり確認し、信頼できると判断したところに申し込むのがもっとも望ましい加入方法だと思われます。良いか悪いか判断しにくい場合は、SNSなどで検索して評判を探るのも一つの手です。
キャッシュバックキャンペーンの場合、豪額なキャッシュバック金額にすぐに飛びつかず、何日もかけて吟味することがトラブル回避の秘訣です。
条件をきちんと読んで、適用させる条件が厳しいようであれば無理せず諦めるのも大切でしょう。
もし、それでもトラブルに見舞われてしまった場合には、消費者ホットラインや国民生活センターへ速やかに相談しましょう。
過去の事例を知っておけば、いざ自分に同じことが降りかかった時に対応もしやすくなります。
新規で契約する際や回線の乗り換えをする時は、ぜひこの記事の体験談を思い出してくださいね。
1位 auひかり
2位 ドコモ光
3位 SoftBank光