Wi-Fiのプロキシってなに?

Wi-Fiに限らず、インターネットを利用するにあたり「プロキシ」という「インターネット上の仮の出口」を使って通信を行なう場合があります。仮の出口といっても、どのようなものか理解しにくいかもしれません。

インターネット通信は、プロキシを使わずに使用することも可能です。しかしプロキシを設定することで通信の利用をより高度にすることができるケースがあります。設定に多少の手間はかかりますが、知っておくと便利です。

そこで、この記事ではプロキシとはどのようなものなのか、Wi-Fiを利用するにあたり、プロキシを設定するとどのように使い勝手がよくなるのか、メリット・デメリット、設定方法や利用時の注意点についてわかりやすく解説しています。


プロキシとは?

そもそも、プロキシとは一体なんなのでしょうか?

プロキシとは英語の「proxy」から生まれた「代理中継」という意味の単語です。インターネット通信においては、アクセスを代理する役割があるためにこのように呼ばれます。

インターネット利用における大部分はホームページへのアクセスかと思いますが、通常はGooglechromeやSafari、Edgeなどのブラウザを起動して、目的のホームページにアクセスしますね。

アクセスしたら、データを保管している相手側のサーバーは、クリックした(要求された)ページのデータをブラウザに表示してくれます。これが、一般的にホームページを見る際の流れです。

この作業をプロキシ経由で行なうと、アクセスをしてブラウザからデータが表示される前に、代理のサーバーに接続されます。

すると接続された代理のサーバーはアクセスした人の変わりにデータを保管しているサーバーにアクセスしてくれるのです。そして、データを受け取ってブラウザに表示してくれます。

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プロキシのメリット

匿名でのアクセスが可能

プロキシの最大のメリットは、「匿名でサーバーにアクセスできる」という点です。知らない人も多いかもしれませんが、Webサイトにアクセスすると必ずその人がアクセスしたという足跡が残ります。

どこに住んでいる誰がアクセスしたかということまではわかりませんが、数字に変換されたインターフェースアクセスの住所的なものが残りますので、プロバイダにその住所を解析してもらえば、誰がアクセスしたのかがすぐにわかってしまうのです。

この足跡は「IPアドレス」と呼ばれます。IPアドレスが残ることにはメリットもあるのですが、悪用されてしまうこともありますので、アクセスするサーバーによってはIPアドレスを知られないほうがよい場合もあります。

こうしたときに、プロキシを介して接続することで自分のIPアドレスを明かさずにアクセスすることができ、通信での安全性が保たれるのです。

アクセス拠点を変えることができる

そのほか、プロキシにはアクセス拠点を変えて、通常アクセスできないデータにアクセスすることができるようになるというメリットもあります。

一般的な感覚でインターネットを利用する上ではあまり必要ではないかもしれませんが、例えば中国のWebサイトでは、日本からのアクセスを禁止しているものもあります。

このとき、通常通りにアクセスしてしまうと、IPアドレスで日本からアクセスしていることがわかってしまうので、Webサイトを閲覧することができません。

そのようなときに、その国(例えば中国であれば中国)のプロキシサーバーを介して接続をすれば、日本からアクセスしていても該当のWebサイトを閲覧することができるのです。

これは、日本からアクセスするときに使えるのはもちろんですが、海外に住んでいる人が同じように日本へのアクセスに使用することも可能です。

通信記録を残すことができる

個人のユーザーがプロキシサーバーを利用することは少ないですが、企業では自社のプロキシサーバーを導入して通信の安全性を保つために活用しています。

社内から外部にアクセスする際に、プロキシサーバーを経由することで外部に自社の通信情報が漏れてしまうことがなくなり、自社の機密情報を扱うサーバーに不正アクセスが生じることを防げます。

さらに、プロキシサーバーを介することで、社員がどんなサイトにアクセスしていたかの通信記録を細かく残すことができるので、社内で個人的なインターネットを利用できないようにすることもできます。

会社勤めをしている方で、つい会社のパソコンでネットサーフィンをしてしまうという人は、その情報がすべてプロキシサーバーに残ってしまっていますので、アクセスするサイトに注意したほうがよいかもしれません。

プロキシのデメリット

データ盗難の恐れがある

自社サーバーなど信頼できるプロキシサーバーなら問題ありませんが、信頼できないプロキシサーバーを使用してしまった場合、自分のアクセス情報がすべてプロキシサーバーに残ってしまうので、そこから自分のデータに不正アクセスされてしまう恐れがあります。

自社のプロキシサーバーであればこの点が大きなメリットになりますが、見知らぬプロキシサーバーではデメリットにもなるということ。危険を伴わないようにプロキシサーバーを利用したのに、そのプロキシサーバーに自分のIPアドレスを悪用されてしまっては本末転倒です。

プロキシサーバーを利用する際は、信頼できないものは使用しないということが大前提になります。特に海外のプロキシサーバーを使用するときはその信頼性に注意を払ってください。

通信速度が低下する場合がある

これまで通りにWebサイトなどにアクセスする場合は、直接アクセスしているので(ほかの干渉は受けていたとしても)通信速度に大きな影響はありませんが、プロキシサーバーを経由するとワンクッション増えた通信を行なっていることになりますので、通信速度が大幅に低下する可能性があります。

プロキシサーバー側のレスポンスが遅いと、さらに通信が遅く感じるかもしれません。特に海外のプロキシサーバーを使用する際は、物理的に距離が遠いので、そこからまた遠くのサーバーにアクセスするとなると速度遅延を著しく感じるでしょう。

ブロードバンドが普及している自体に、プロキシサーバーを経由することで速度が遅くなってしまうことは、大きなストレスになるかもしれません。

学校や会社のWi-Fiではプロキシを経由しないとアクセスできないことも

学校や職場では、先にご紹介したようにセキュリティを確保する意味で自社のプロキシサーバーを導入しており、そのプロキシサーバーを介さないと通信ができないようになっているケースも多いです。

その場合、自分の持っている端末で学校や企業のWi-Fiを使用したいと思っても、通信を行なうことができません。通信ができないときは管理者に確認をして設定内容を聞き、所定の設定を行った上で通信を利用する形となります。

学校の場合は利用者向けにプロキシ設定の案内がなされている場合もありますので、ITセンターなどに確認してみましょう。

プロキシの設定方法

プロキシを設定する手順

①「設定」アイコンをタップ

②設定から「Wi-Fi」をタップし、Wi-Fiをオンにする

③使用するWi-Fiをタップ
(プロキシ設定の対象となるWi-Fiネットワークの名前を選択してください)

④「プロキシを構成」をタップ

⑤「手動」または「自動」選択し、表示された入力項目を入力してください

※Wi-Fiに接続できるエリア内(電波が届く範囲内)にいる状態でのみ設定が可能です。

プロキシについての口コミ

まとめ

個人情報を扱う企業ではプロキシサーバーを導入しているところが多いので、プロキシについて知っておくと職場でのインターネットの利用に役立つと思います。

プロキシサーバーを経由して接続することで、自分のIPアドレスを明かさずに「匿名でのアクセスが可能」というメリットがある反面、悪意のあるプロキシサーバーを利用してしまった場合、プロキシサーバーを経由してやりとりしている情報を盗まれてしまう危険もあることから、安全なものであるかどうか慎重に使用することが大切です。

プロキシの設定は、インターネットを利用する上で便利なこともありますが、危険性を伴うことも少なくありません。プロキシのメリットとデメリットを把握したうえでよく検討し、必要に応じて適宜正しい使用方法で活用しましょう。

ネット回線の先生ネット回線の先生

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