公共Wi-Fi導入の際に利用できる補助金制度をご紹介

公共施設や飲食店などに設置されているWi-Fiアクセスポイント。無料で使えるので、旅行先やちょっとした外出時に多くの人が利用しています。

店舗側にも集客や顧客満足度の向上といったメリットがありますが、費用やランニングコストを考えると、なかなか導入に踏み出せない経営者も多いことでしょう。

そんな事業者の方に知っていただきたいのが、公共Wi-Fiを導入する際に活用できる「補助金制度」の存在です。無線LANの設置や整備にかかる費用に対して、国や自治体が費用の一部を補助してくれる制度です。

この記事では、企業が公共Wi-Fiを導入するメリットや補助金の内容などを詳しく解説します。宿泊施設や飲食店で無線LANを導入している方、今後導入予定のある事業者の方はぜひ参考にしてください。なお、補助金制度は年度によって内容・上限額・募集期間が変わり、終了・新設される場合もあります。実際に利用する際は、必ず各制度の公式窓口で最新情報を確認してください。



公共施設で使えるWi-Fi環境の整備が進んできた背景

日本で公共Wi-Fiの整備が本格的に進み始めた大きなきっかけのひとつが、東京五輪(2020年開催予定・実際の開催は2021年)に向けた取り組みでした。訪日外国人が快適に過ごせる「おもてなし環境」についてのアンケートで、Wi-Fi環境の要望が上位を占めたことなどを受けて、街中で使えるWi-Fi環境の整備が進められました。

過去には、2012年のロンドン五輪でロンドン全域に多数のWi-Fiスポットが導入され、2016年のリオ五輪でもさらに多くの整備が進められたと言われています。日本でも、Wi-Fi整備によって地方を訪れる訪日外国人や消費が増えると見込まれ、早急な整備が課題とされてきました。

また、東京だけでなく地方でも同じ環境を整え、都市と地方の格差が生まれないよう配慮することや、大きな自然災害に備えて通信環境を拡大していくことも重要な課題です。近年は、こうした防災の観点から公共Wi-Fiの整備を進める動きが強まっており、オリンピック後もWi-Fi環境の拡充は続いています。

公共Wi-Fiを導入するメリット

行政がWi-Fi環境の整備に力を入れている一方で、企業側が公共Wi-Fiを導入することで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。導入のメリットが感じられる点を一つずつ見ていきましょう。

集客力がアップする

あらゆる場面でネットを使う現代において、Wi-Fiの利用を目的にカフェなどの飲食店に入る人はとても多くなりました。長時間滞在しやすいカフェでは、Wi-Fiを使って仕事や勉強をしている人をよく見かけます。

宿泊施設でもWi-Fiを導入する企業が増え、Wi-Fiがあることを売りにする施設も多く見られます。予約時に「Wi-Fiの有無」で部屋を選ぶ人も多く、同じランクの施設ならWi-Fi環境のあるほうが選ばれやすいでしょう。このように、公共Wi-Fiの有無は企業の集客に大きくかかわってきます。

有線LANだと限られた場所・機器でしか使えませんが、Wi-Fiならスマホやタブレットなど幅広い機器で利用できます。店内にWi-Fiを導入して来店・滞在の満足度が高まり、売上向上につながったという例も報告されています。従業員がWi-Fiを使える環境を整えることが、業務効率や満足度の向上につながる面もあります。

顧客満足度が高まる

連絡手段だけでなく動画視聴やゲームなど、スマホを幅広い用途で使うため、データ消費量を気にする人が多くなりました。大容量プランや無制限プランもありますが、料金が高くなりがちで、一定量を超えると通信制限がかかるプランも少なくありません。

そのため、Wi-Fiが使える場所ではWi-Fiを利用してデータ使用量を節約したいという顧客は珍しくありません。公共Wi-Fiを導入している飲食店や商業施設は、高い顧客満足度を得やすくなります

最近では飲食店や宿泊施設だけでなく、美容室などでもWi-Fiを導入する店が増えています。施術で1〜3時間以上滞在することもある美容室では、待ち時間を快適に過ごせるWi-Fiが喜ばれます。従業員側も電子カルテの利用などで恩恵を受けられます。


こうしてみると、公共Wi-Fiの導入は顧客だけでなく従業員側にも大きなメリットになることがわかります。満足度だけでなく仕事の効率化にもつながり、生産性の向上も期待できます。新しいニーズや働き方が求められる現代において、Wi-Fi環境の整備は重要性を増しています。

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Wi-Fi導入が対象となりうる補助金

Wi-Fi導入が対象となる補助金制度はいくつかあり、それぞれ条件があります。ここでは代表的なものを紹介します。いずれも年度によって募集の有無・内容・上限額・提出期限が変わりますので、必ず各窓口の最新情報を確認してください。

自治体のインバウンド対応・受入環境整備の補助金(例:東京都)

東京都などの自治体では、外国人旅行者の満足度向上のために、都内で経営する宿泊施設・飲食店・観光関連事業者の取り組みを支援する補助金が用意されてきました。Wi-Fiスポットの導入のほか、ホームページの多言語化、キャッシュレス決済機器の導入、施設の改修などが対象になることがあります。

対象事業者・補助上限額・1施設あたりの設置箇所数の上限などは制度・年度によって異なります。申請前に、東京都や東京観光財団など、実施主体の公式サイトで現行の募集要項を確認してください。

公益財団法人 東京観光財団(受入環境整備の支援)

訪日外国人旅行者受入環境整備に関する国の事業(観光庁)

国土交通省・観光庁では、訪日外国人旅行者が快適に滞在できるよう、受入環境の整備費用を補助する事業が実施されてきました。外国人観光案内所や観光拠点の整備・改良、キャッシュレス決済環境の整備などのうち、一部の事業で無線LAN設備の導入費用が対象になる場合があります。

対象事業・対象者・補助内容は年度ごとに見直されます。案内所の整備では、日本政府観光局(JNTO)が認定するカテゴリー区分の条件を満たすことが求められる場合もあります。最新の対象・要件・申請方法は観光庁の公式サイトで確認してください。

国土交通省 観光庁(受入環境整備の各事業)

公衆無線LAN環境整備支援事業(総務省)

「公衆無線LAN環境整備支援事業」は、総務省が公衆無線LAN(Wi-Fi)の整備を進める地方公共団体等に対して費用の一部を補助する制度です。近年は防災の観点が中心となっており、避難所・避難場所・官公署などの防災拠点や、災害時に拠点となりうる博物館・文化財・自然公園などでのWi-Fi環境整備が主な対象です。災害でスマホ回線が混雑して使えないときにも、必要な情報伝達手段を確保することが目的とされています。

補助対象は、無線アクセス装置・制御装置・電源設備・伝送路設備などの整備に必要な費用です。補助率は原則2分の1(財政力指数が低く条件不利地域の市町村などは3分の2)とされています。おもな申請主体は地方公共団体等で、募集(公募)は年度ごとに行われます。最新の対象・要件・公募時期は総務省の公式サイトで確認してください。

総務省:公衆無線LAN環境整備支援事業

各自治体でも補助金を交付していることがあるのでチェックしよう

国や東京都の制度のほかにも、地方自治体がWi-Fiの導入費用に補助金を交付していることがあります。過去には、訪日外国人の受入環境整備のために、Wi-Fiスポット導入費用の一部(対象経費の半額・一定額まで等)を補助する制度を設けている自治体もありました。

こうした制度は、特定のキャリアに限定されたWi-Fiは対象外で、不特定多数の人が無料で利用できる設備を導入する場合に限られることが多いです。補助の有無・上限額・対象者は自治体や年度によって異なるため、導入予定のある方は、最寄りの自治体(市区町村・都道府県)の観光・産業振興の窓口に確認してみると良いでしょう。

公共Wi-Fi補助金のよくある質問(FAQ)

Q. 個人の飲食店でも補助金は使えますか?
A. 制度によります。中小事業者を対象にした自治体・国の受入環境整備の補助金では、飲食店や宿泊施設が対象になることがあります。ただし対象条件・募集時期は年度で変わるため、各窓口で確認が必要です。

Q. どの補助金が使えるか分かりません。
A. まずは所在地の都道府県・市区町村の観光/産業振興の窓口と、総務省・観光庁の公式情報を確認するのがおすすめです。制度によって「防災目的(総務省)」「インバウンド・受入環境整備(観光庁・自治体)」など目的が異なります。

Q. 申請すれば必ずもらえますか?
A. いいえ。多くの制度は審査や公募・入札があり、要件を満たしても採択されない場合があります。事業計画の内容・実現性・効率性などが評価されます。

Q. 補助金の募集はいつですか?
A. 年度ごとに募集期間が定められており、期限が短いこともあります。導入を検討している場合は早めに公式サイトで公募時期を確認し、必要書類を準備しておきましょう。

Wi-Fi導入の補助金についての口コミ

まとめ

今回は、公共Wi-Fiスポット導入に関する補助金についてまとめました。Wi-Fiスポットの導入は、集客力や顧客満足度の向上につながるのはもちろん、近年頻発する自然災害の発生時にも力を発揮します。

導入時の費用負担は大きく感じられるかもしれませんが、国や自治体の補助金制度をうまく活用すれば導入のハードルを下げられます。ただし補助金は年度によって内容・上限・募集期間が変わり、終了・新設されることもあります。商業施設や宿泊施設を運営されている事業者の方は、各制度の公式窓口で最新情報を確認したうえで、Wi-Fiスポットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ネット回線の先生ネット回線の先生

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