自宅のWi-Fiを安全に使うためにやることは、暗号化をWPA2(AES)かWPA3にする、パスワードを初期値のままにしない、ファームウェアを最新に保つの3つです。総務省の「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」(令和7年2月版)も、この3点を基本の対策に挙げています。

外出先のフリーWi-Fiでは、つなぐ相手が本物か、開いているページがhttpsかを確かめるのが基本ですね。どちらも難しい設定ではないので、順番に見ていきます。


Wi-Fiのセキュリティが甘いと何が起きるか

通信の中身やパスワードを盗まれる

いちばん怖いのは、やり取りしているデータを第三者にのぞかれることです。ネットショッピング中ならクレジットカード情報、SNSならIDとパスワードが狙われます。

SNSを乗っ取られると、つながっている友人や知人にまで迷惑がかかります。仕事のメールを見られれば、会社の情報が漏れるおそれもありますね。

自宅の回線を他人に使われる

自宅のWi-Fiに暗号化をかけていないと、電波が届く範囲の誰でもつなげてしまいます。月額料金を払っている回線を、知らない人にただで使われるわけです。

ほかの人が使えば、そのぶん自分の通信も遅くなります。他人のパスワードを不正に手に入れて侵入する行為は不正アクセス禁止法などに触れるおそれがありますが、被害のあとで相手を突き止めるのは難しいので、自衛がいちばんです。

ルーターが攻撃の踏み台にされる

ルーターそのものが乗っ取られるケースも、見落とされがちです。総務省の自宅向けマニュアルでは、ネットオークションで買ったルーターを設定を変えずに使い、サイバー攻撃に悪用されてしまった例が紹介されています。

自分は被害に気づかないまま、よその攻撃に加担していることもあり得ます。中古のルーターを使うなら、初期化してから設定し直してください。

自宅のWi-Fiで確認したい3つの設定

1. 暗号化はWPA2(AES)かWPA3を選ぶ

Wi-Fiの暗号化方式は、古い順にWEP・WPA・WPA2・WPA3があり、新しいものほど安全です。総務省のマニュアルでも、WPA2またはWPA3を選ぶよう推奨されています。

WEPや、TKIPという暗号化のやり方を使う設定はとくに危険です。解読の手口が知られているので、設定画面で「WPA2(AES)」か「WPA3」になっているか確かめてください。

ルーターとスマホ・パソコンで同じ方式に対応している必要があります。最近の機器はWPA2に広く対応していて、WPA3対応の機種も増えています。

ちなみに、Wi-Fi 6Eや Wi-Fi 7の6GHz帯を使う場合は、WPA3が必須になっています。WEPしか選べないほど古い機器なら、買い替えどきですね。

2. パスワードと管理画面を初期値のままにしない

ルーターには、電波の名前にあたるSSIDと、つなぐときに入れる暗号化キー(Wi-Fiのパスワード)が設定されています。多くの機種は出荷時に設定済みで、本体のラベルに書かれています。

そのうえで、ルーターの管理画面に入るための管理パスワードは必ず変えておいてください。adminやpasswordのような初期値のままだと、設定を第三者に書き換えられる危険があります。

SSIDに本名や部屋番号など、住んでいる人が推測できる名前を付けないことも大事です。SSIDは周りの端末から見えるので、名前から住人を特定されるのは避けたいところですね。

3. ファームウェアを最新にして、古いルーターは替える

ルーターのメーカーは、新しく見つかった弱点をふさぐためにファームウェア(本体のソフト)の更新版を出しています。適用すれば、見つかった脆弱性が直ります。

最近のルーターには、ネットにつながっていれば自動でファームウェアを更新するモデルが多くあります。設定に自信がない人は、この機能のある機種を選ぶと安心です。

ルーターの寿命にも目を向けてください。メーカーのサポートが終わった機種は、新しい弱点が見つかっても修正版が出ません。サポート終了の機種は買い替えを考えるのが安全です。

初めて設定する人は、Wi-Fiルーターの初期設定の手順と安全設定で画面の流れを確かめながら進めると迷いません。

ルーター以外につながる機器も見直す

家のWi-Fiには、スマホやパソコンのほかにネットワークカメラやレコーダー、スマート家電などもつながっています。こうしたIoT機器も、パスワードが弱いと攻撃に悪用されます。

総務省とNICT(情報通信研究機構)、プロバイダーなどは、サイバー攻撃に悪用されるおそれのある機器を調べて利用者に知らせる取り組みNOTICEを進めています。

プロバイダーからNOTICEの注意喚起が届いたら、その機器が乗っ取られやすい状態だというサインです。NOTICEの公式サイトで、ルーターやカメラの安全な管理方法を確かめてください。

見直す順番の目安は次のとおりです。

  1. 家のWi-Fiにつながっている機器を、ルーターの管理画面で一覧にする
  2. 初期パスワードのまま使っている機器があれば、推測されにくいものに変える
  3. メーカーのサイトで、ファームウェアの更新とサポート状況を確かめる
  4. 使っていない機器はWi-Fiから外すか、電源を切っておく

カメラや見守り機器のように外から操作できる機器は、とくに優先して確認すると安心です。

外出先のフリーWi-Fiで気をつけること

駅やカフェのフリーWi-Fiは便利ですが、パスワードなしでつながるものはWi-Fiの区間が暗号化されていません。総務省の公衆Wi-Fi向けマニュアルは、気をつけることを2つに絞っています。

つなぐアクセスポイントが本物か確かめる

本物のフリーWi-Fiと同じ名前をかたる偽のアクセスポイントがあります。提供者がはっきりしないWi-Fiには、つながないことが原則です。

スマホは、過去につないだ履歴から勝手にフリーWi-Fiへつながってしまうことがあります。Wi-Fiの詳細でセキュリティが「なし」と出るものには、できるだけつながないでください。

スマホの設定で、フリーWi-Fiへの自動接続はオフにしておくと安心です。

開いているページがhttpsか確かめる

Webサイト側の暗号化(https)が広まり、Wi-Fiが暗号化されていなくても中身が丸見えになる場面は減りました。ただ、正しいURLでhttps通信しているかは自分で確かめる必要があります。

カード番号やパスワードの入力は、フリーWi-Fiではなるべく避けてください。どうしても使うなら、端末とサーバーの間をまるごと暗号化するVPNのサービスを併用する手もあります。

フリーWi-Fiの危険と使い方は、総務省のポイントで学ぶ公衆Wi-Fiの安全な使い方でさらに詳しく解説しています。

Wi-Fiのセキュリティでよくある質問

Q. 自宅のWi-Fiの暗号化方式はどこで確認できますか?

A. ルーターの管理画面にある無線LANの設定で確かめられます。スマホならWi-Fiの詳細画面に、つないでいるネットワークの方式が出る機種もあります。WEPやTKIPと出たら変更してください。

Q. SSIDを隠す設定をすれば安全ですか?

A. 周りから見えにくくなるだけで、それだけでは十分な対策になりません。暗号化をWPA2(AES)かWPA3にして、推測されにくいパスワードを設定するほうがずっと効果があります。

Q. 中古のルーターを使っても大丈夫ですか?

A. 初期化してから、管理パスワードとWi-Fiのパスワードを自分で設定し直せば使えます。メーカーのサポートが終わった機種は修正版が出ないので、型番でサポート状況を調べてから使ってください。

まとめ

自宅のWi-Fiは、①暗号化をWPA3かWPA2(AES)にする ②パスワードと管理画面を初期値のままにしない ③ファームウェアを最新に保つの3つで守れます。サポートが切れた古いルーターは買い替えも考えてください。

外ではアクセスポイントが本物か、ページがhttpsかの2つを確認する習慣をつけると安心です。総務省のマニュアルは無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用のページから読めます。

Wi-Fiの仕組みから知りたい人は、Wi-Fiの仕組みと安全な設定の基本もあわせてどうぞ。

ネット回線の先生ネット回線の先生

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