【重要】「Pocket WiFi 海外データ定額」は新規受付を終了しています
ワイモバイル(ソフトバンク・ウィルコム沖縄)が2018年4月24日に開始した、海外でのデータ通信が1日90円で使える国内・海外向けプラン「Pocket WiFi 海外データ定額」。専用端末「Pocket WiFi 701UC」とセットで話題になったサービスです。
しかし現在、このプランは2021年5月11日をもって新規加入の受付を終了しており、これから新たに申し込むことはできません(ワイモバイル公式サイトで案内あり)。
この記事では、すでに契約している方が知っておきたい現在の条件と、これから海外でネットを使いたい方の選択肢を整理します。当時の料金解説をお探しの方のために、プランの内容も記録として残しています。
どんなプランだったのか
「Pocket WiFi 海外データ定額」は、国内向けの「Pocket WiFi プラン2」に海外向けのオプションを組み合わせる形のプランでした。特徴は次の3点です。
- 海外でのデータ通信が1日90円(免税)の定額で使える
- 専用端末「Pocket WiFi 701UC」の購入と同時にのみ加入可能(個人名義限定)
- 海外ではuCloudlink JapanのCloudSIMという仕組みを使い、渡航先の通信事業者のネットワークに自動接続。ローミングの設定が不要
当時、通常の国際ローミングでは1日数千円かかるのが当たり前だったので、1日90円というインパクトは相当なものでした。一方で「国内向けプランの契約が必須」という点が使い勝手を分ける部分でもありました。
いま契約中の方が知っておきたい3つのこと
1. 料金と速度制限の現在の条件
ワイモバイル公式によると、現在の基本料は契約種別「ベーシック」で月額4,378円(税込)。契約期間の定めのない種別です。これに加えて、海外で使った日だけ1日90円(免税)の海外データ定額利用料がかかります。
速度制限は国内と海外で条件が異なります。
- 国内:当月のデータ通信量が7GBを超えると、当月末まで送受信最大128kbpsに低速化(0.5GBごとに550円の追加料金で通常速度に戻せます)
- 海外:当月のデータ通信量が7GBを超えると、当月末まで送受信最大64kbpsに低速化。翌月1日(GMT基準)まで通常速度には戻せません(追加料金でも解除不可・低速化の通知もありません)
さらに、混雑回避のための速度制御(3日間で約10GB以上利用時)もあります。渡航先で動画を見続けるような使い方には向かない、と考えておいたほうがよいでしょう。
2. 使える国・地域が減っています
ここが最も重要な変化です。海外の一部の国・地域で2G/3G通信サービスが終了した影響により、そうした国では本サービスが利用できなくなっています。
ワイモバイル公式が「サービス提供終了国」として挙げているのは、台湾・シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド・ギリシャ・イスラエル・スリランカ・マカオ・南アフリカなど。日本人の渡航先として定番の国が含まれている点に注意してください。
今後も対象国が増える可能性があると公式に明記されているため、渡航前には必ず公式の利用可能国一覧を確認し、使えない場合の代替手段を用意しておきましょう。
3. 契約解除料は撤廃されています
このプランは3年契約(契約種別「さんねん」)が基本で、以前は途中解約時に契約解除料がかかる仕組みでした。しかしワイモバイル公式によると、2022年2月1日以降は解除料が撤廃され、契約解除料は発生しません。
「解約したいけれど違約金が怖い」と止まっていた方は、この点を確認したうえで見直しを検討してよいでしょう。※端末を分割で購入している場合、残債の支払いは別途続きます。
専用端末「Pocket WiFi 701UC」について

このプラン専用の端末が、uCloudlink製の「Pocket WiFi 701UC」(2018年4月24日発売)でした。約4インチのディスプレイと5,350mAhの大容量バッテリーを搭載し、大きさは約65×126.5×19mm、重さは約240g。同時接続は5台までです。
発売当時の価格は37,800円で、割賦の支払いと毎月の割引が相殺される形で実質負担なしとして案内されていました。海外ではCloudSIMを通じて現地事業者のネットワークに自動接続する仕組みで、SIMロックはかかっていません。
なお、2021年5月12日以降に701UCを新規契約・機種変更した場合は、「世界対応ケータイ」に加入することで、海外渡航時に自動で「海外パケットし放題」が使える形に変わっています。海外パケットし放題は、データ通信量が25MBまでは0円〜1,980円/日、25MB以上で2,980円/日(免税)という料金体系です。
これから海外でネットを使うならどうする?
新規契約ができない以上、これから海外で通信環境を用意するなら別の手段を選ぶことになります。主な選択肢を整理しました。
| 手段 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 今使っているスマホの海外ローミング定額 | 短期の旅行・出張で、荷物を増やしたくない人 | 1日あたりの料金は各社・渡航先で異なる。事前の申し込みや設定が必要な場合がある |
| 海外レンタルWiFi | 複数人・複数端末で共有したい人。設定に不慣れな人 | 受取・返却の手間と、紛失・破損時の補償を確認。予約時期で料金が変わる |
| 現地対応のeSIM(プリペイド) | 1人で使う、eSIM対応スマホを持っている人 | 端末がeSIMとSIMフリーに対応している必要あり。開通手続きは自分で行う |
| ホテル・空港などのフリーWiFi | チェックのみなど、通信量が少ない人 | 常時使えるわけではなく、通信の安全面にも注意が必要 |
複数人で行くならレンタルWiFi、1人ならeSIMかスマホのローミング定額——というのがおおまかな目安です。料金・対応国は時期によって変わるため、必ず申し込み前に公式サイトで最新の条件を確認してください。
レンタル型を検討する場合は、グローバルWi-FiやイモトのWi-Fiといったサービスが定番です。渡航先とデータ容量で料金が変わるので、日程が決まったら早めに見積もってみましょう。
国内用のポケット型WiFiを今から選ぶなら
ワイモバイルで現在申し込めるモバイルルーター向けのプランは「Pocket WiFi®プラン2(ベーシック)」です。公式によると基本使用料は月額4,065.6円(税込)で年間契約の定めなし、標準では月7GBまで(超過後は最大128kbps)。アドバンスオプションに加入すると4G高速データ通信量が上限なしになりますが、これは通信方式「TDD-LTE」「AXGP」の提供エリア限定で、対象外の場所では標準モードへの切り替えが必要です。
一方、国内で容量を気にせず使いたいならWiMAX +5Gも有力な選択肢です。標準の「スタンダードモード」には月間データ容量の上限がなく、プロバイダーによって実質的な負担額も変わります。GMOとくとくBBやブロードWiMAXのように、キャッシュバックや割引を用意しているプロバイダーを比較してみてください。
選び方の軸はシンプルです。データ容量を気にせず使いたいならWiMAX +5G、対応エリアの都合でソフトバンク系の電波を使いたいならワイモバイル。海外利用は国内のポケット型WiFiとは切り離し、そのつど最適な手段を選ぶほうが結果的に安く済みます。
よくある質問
Q. いま契約中ですが、そのまま使い続けられますか?
新規受付が終了しただけで、既存の契約は継続して利用できます。ただし利用可能国が減っている点と、一度解約するとこのプランには再加入できない(公式に明記)点に注意してください。
Q. 渡航先が「サービス提供終了国」でした。どうすればいい?
そのままでは現地でデータ通信ができません。スマホ側の海外ローミング定額、レンタルWiFi、現地対応のeSIMなど、別の手段を用意して渡航してください。
Q. 海外で7GBを超えて低速になりました。解除できますか?
できません。公式でも翌月1日(GMT基準)まで通常速度には戻せないと明記されています(追加料金による解除も不可)。長期滞在で大量に通信する予定がある場合は、はじめから別の手段を検討したほうが安全です。
Q. 701UCを国内専用として使い続けることはできますか?
プランの内容や端末の対応状況によります。海外データ定額に加入している間は国際ローミングが利用できないといった制約もあるため、使い方を変えたい場合はワイモバイルの窓口で現在の契約内容を確認するのが確実です。
まとめ
「Pocket WiFi 海外データ定額」は、1日90円という料金設定で当時としては画期的なプランでした。しかし2021年5月11日に新規受付を終了しており、現在は新たに申し込むことができません。
契約中の方は、①利用可能国が2G/3G終了の影響で減っていること ②海外で7GBを超えると当月中は解除できないこと ③2022年2月1日以降は契約解除料が撤廃されていること——この3点を押さえたうえで、継続するか見直すかを判断してください。
これから海外で通信環境を用意する方は、スマホのローミング定額・レンタルWiFi・現地eSIMの3択から、人数と日程に合わせて選ぶのが現実的です。国内用のポケット型WiFiとは切り分けて考えると、無駄なく組み立てられます。
